声明・談話

2015年5月17日

「大阪都」住民投票の結果について(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

1.本日、大阪市を廃止し、特別区を設置することの是非を問う、大阪市民による住民投票が行われた。今回の住民投票は、大阪府・市の今後のあり方、分権・自治の問題にとどまらず、維新の党の盛衰や野党再編、さらには安倍政権の憲法改正戦略などの政局にもかかわることから大きな注目を浴びていた。社民党は、分権・自治に逆行し、効率化・競争力強化のための自治体再編である「大阪都構想」に対し、「府民のちから2015」はじめ、不安や疑問を持つ多くの皆さんと連携して反対運動に取り組んだ。維新の党などの物量ともに激しい宣伝戦が行われたにもかかわらず、「大阪都構想」の問題点の訴えが届き、大阪市民の良識が示され、反対多数の結果となったことを心から喜びたい。

2.橋下市長が強調する「ワン大阪」についても、二重行政の解消効果もわずか1億円にすぎない上、特別区設置に莫大なコストがかかり、100を超える一部事務組合の設置など、「七重行政・三元行政」化が進むことも明らかとなった。さらに、特別区の財政や住民サービスがどうなるのか、特別区への移行準備などが全く白紙の状態で住民投票が行われ、後は白紙委任ということも問題であった。そうした中、特別区は大阪府の出先機関であり、区民の声や要望は届きにくくなることや、保育料や公共料金の値上げ、敬老パス制度や地域活動協議会への補助制度の廃止など、住民サービスの切り捨てに直結することへの懸念が募っていた。

3.政令市である大阪市をなくして、特別区を設置しても、大阪府は府のままで、「大阪都」にはなるわけではない。産業政策や大規模なインフラ整備などの権限と財源を府が召し上げることになり、大阪市の自治権を府が奪う集権化の面を見落としてはならない。特別区自身、権限も財源も政令市未満の存在であり、自治権は確実に後退する。東京市と東京府が統合され東京都が誕生した経緯や、東京23区が都の内部団体からの脱却と基礎自治体化を求めてきた歩みを考えれば、大阪市の廃止・解体は、分権・自治の流れに逆行するものといえる。

4.大阪府は47都道府県の幸福度ランキングで最下位である一方、大阪市はアジアで住みやすい都市1位に選ばれたこともある。二重行政の解消や市民が主役の大阪市の実現は、「大阪都」構想でなくても実現できる。難波宮など悠久の歴史を持ち、市政140年の歴史を持つ大阪市のさらなる発展のために取り組みを強化していく。今回の住民投票の結果を真摯に受け止め、橋下市長は謙虚な市政運営に心がけるとともに、「政治家を辞める」との約束をきちんと履行し、いさぎよく身を引くべきである。

以上

(関連)
「大阪都構想」の住民投票の告示に当たって(談話)