声明・談話

2015年4月30日

安倍首相のアメリカ連邦議会合同会議での演説について(コメント)

社会民主党党首 吉田忠智

1.訪米中の安倍首相は、現地時間29日午前、アメリカ連邦議会上下両院合同会議で演説した。戦後70年談話につながるものとして首相の歴史認識が注目されていた。「未来志向」を前面に出し、先の大戦への「痛切な反省」は表明したものの、村山談話が示した「植民地支配と侵略」への謝罪は口にせず、「おわび」はしなかった。従軍慰安婦問題についても言及しなかった。全く不十分で失望した。安倍首相の本質が現れた。

2.「痛切な反省を胸に、歩みを刻んだ。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない」としたが、首相としての反省ではなく、戦後の日本の反省にすぎない。「これらの点についての思いは、歴代首相と全く変わるものではない」というのであれば、植民地支配と侵略への痛切な反省と心からのおわびをしっかり打ち出すべきである。

3.日米防衛協力指針の再改定について、「真に歴史的な文書に合意した」と評価するとともに、新指針を裏付ける「戦争関連法案」の制定について、「戦後初めての大改革」としたうえで、「この夏までに成就させる」という考えを示した。しかし、今回の新指針は、日本の安全に加え「アジア太平洋とこれを越えた地域」での協力をうたっており、長年にわたって積み上げてきた憲法解釈を超えるとともに、日米安保条約の範囲も大幅に超え、地球規模で軍事協力を行おうとするものである。国内向けには、平和国家としての歩みを強調し、国民の命を守るための法制定と言いながら、アメリカに対しては、対中戦略を意識し、自衛隊と米軍との協力関係の強化、一体化を図るため、というのも二枚舌である。しかも与党内で合意しただけで、法案の提出もなされていないし、国会の会期延長も決まっていないのに、アメリカに対し成立を約束するのは、国会軽視どころか国会無視、国民無視以外のなにものでもない。立憲主義を否定する暴挙であり、安倍政権の姿勢を徹底的に追及していかなければならない。米国との合意を盾に既成事実化を図り、国内の反対意見を封じるようなことがあってはならない。

以上