声明・談話

2015年4月27日

「大阪都構想」の住民投票の告示に当たって(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日、橋下大阪市長が政治生命をかけている「大阪都構想」の賛否を決める大阪市民対象の住民投票が告示された。「大阪都構想」といわれるが、今回の住民投票は、特別区と新しい大阪府ができるだけで「都」になるわけではない。あくまでも大阪市を廃止・解体して5つの特別区に再編し、大阪府に吸収合併することの是非が問われている投票である。どうしても「大阪都構想」を実現したいのであれば、憲法95条に基づく特別の住民投票として、府全域での住民投票をすべきである。

2.5つの特別区の設置で、大阪市の基礎的な仕事が住民に近くなる分権的な面ばかり強調されるが、政令指定都市である大阪市が廃止され、産業政策や大規模なインフラ整備などの権限と財源を府が召し上げるという、市の自治権を府が奪う集権化の面を見落としてはならない。東京市と東京府が統合され東京都が誕生した経緯や、東京23区が都の内部団体からの脱却と基礎自治体化を求めてきた歩みを考えれば、大阪市の廃止・解体は、分権・自治の流れに逆行するものといえる。

3.行政区を公選区長・議会を有する組織体に変えるとしても、特別区の権限は限られており、住民の自治権としては後退する。これまで大阪府と大阪市がそれぞれの視点で展開していた中小企業政策についても、府と特別区で事務が再配分されると、福祉政策や労働政策などと切り離され大都市自治体の総合性が発揮できなくなること、従来の優れた政策の継続が難しくなること、大企業中心の産業政策になってしまうことなどが心配される。

4.「大阪都構想」の目指すものは、住民の暮らしや自治を豊かにするためのものではなく、成長戦略を進め、大阪をアジアを含む都市間競争に勝ち抜く街に育てるという、効率化・競争力強化のための自治体再編である。大阪府は47都道府県の幸福度ランキングで最下位である一方、大阪市はアジアで住みやすい都市1位に選ばれたこともある。多くの課題が山積しており、「ムード」先行ではなく、市民が主体となって、負担やデメリットについても丁寧で真剣な論議が求められる。今回の住民投票の結果は、大阪府・市の今後のみならず、地方自治制度や中央政局にも大きな影響を与えることが予想される。社民党は、「大阪都構想」に反対したり疑問を持ったりする多くの皆さんとともに、大阪市の廃止・解体の阻止に向け、全力で取り組む。

以上