声明・談話

2015年3月13日

2015年度予算案の衆議院通過に当たって(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日の衆議院本会議で、2015年度予算案が可決し、衆議院を通過した。「経済再生と財政再建」を目指すとして、96.34兆円と過去最大になった2015年度予算案は、14年度補正予算と併せた「15か月予算」ベースでも「3年連続100兆円」という大規模予算となった。しかし、その内実は、統一自治体選挙を意識した、名ばかりの「好循環予算」であるとともに、防衛費は3年連続の増額を認める過去最大の「軍拡予算」となった。その一方で社会保障費の切り捨てと消費税依存税制による財政再建を同時に目論むものである。「世界で一番企業が活動しやすい国」、「戦争できる国」づくりを目指す安倍政権のカラーが鮮明になった予算であり、社民党は、勤労者や中小零細業者、農民の期待に応えるものとはなっていないことから、反対した。

2.2015年度予算案の前提となる2015年度税制改正によって、消費税率10%への増税が2017年4月から実施されることが確定された。そして、法人税率の引き下げや贈与税の減税をはじめとする大企業・資産家優遇が拡大している。こうした不公平税制によって、税収(当初予算)に占める消費税の割合が2年連続で最大となり、税制の所得再分配機能が低下している。

3.表面的には社会保障費が初の31兆円台に膨らんだとはいえ、介護報酬の減額や生活保護の見直し等により、概算要求段階では約8300億円が見込まれていた「自然増」分が約4200億円に圧縮された。また、臨時福祉給付金や子育て世帯臨時特例給付金の規模縮小、年金生活者支援給付金や年金受給資格期間の短縮の先送りなど、低所得者へのしわ寄せが進んでいる。昨年12月にOECDが出した「格差と成長」というレポートにおいて、「経済格差が経済成長にマイナス」と指摘されているように、社会保障の切り捨てが「経済再生」につながるとは到底考えられない。

4.一方、防衛費の「聖域化」は進行している。補正予算とあわせ5兆円を突破するとともに、このままでは中期防衛力整備計画の枠(5年間で23兆9700億円)すら上回るのは必至である。また、内容的にも、オスプレイやステルス戦闘機F35、イージス艦建造など、「専守防衛」の国是に反する攻撃型のものが増えている。国庫債務負担行為の年限延長は、継続的な軍拡と歳出の硬直化を進める。辺野古新基地建設費を増額する一方、沖縄県が切望していた沖縄一括交付金の減額は、翁長新知事への圧力であることは明らかで、あまりにも姑息な手法である。

5.東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の教訓を顧みず、原発再稼働に突き進む安倍政権が、再稼働を容認した自治体に配る新しい交付金を盛り込んだことも大いに問題である。

6.財政再建の中間目標達成をうたうが、本予算に計上すべきものを補正予算に「前倒し計上」するなど粉飾的手法や、社会保障の切り捨てと消費税増税に依存するものにすぎない。

7.その他、個人情報漏えいや情報統制が懸念されるマイナンバー関連経費の計上、国際競争力強化の観点からの大規模公共事業推進、大規模農家偏重の農林水産予算、分権・自治の観点から問題が残る地方財政など、予算案は多くの問題を有している。

8.参議院では、アベノミクスの問題点をただすとともに、雇用の安定化、社会保障や教育・子育て支援の拡充など、家計の可処分所得を増やす施策に万全を期すため、国民生活擁護の立場から積極的に論戦を展開していく。

9.辞任した西川農水大臣に始まり、下村文科大臣以下、安倍首相に至るまで、補助金交付企業からの献金をはじめとする政治とカネの疑惑が相次いで発覚し、「安倍内閣総汚染」ともいうべき状況にある。個々の政治家の説明責任や安倍首相の任命責任の追及、政治とカネの問題に関する法改正などについて、野党の連携・共闘を強化し、政府・与党を追い込んでいく。

以上