声明・談話

2015年1月9日

2014年度補正予算案の決定に当たって(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

1.政府は本日の閣議で、一般会計総額3兆1180億円の2014年度補正予算案を決定した。生活支援策に1兆1854億円を充て、消費税増税や円安による物価上昇に苦しむ家計の負担を軽くする施策が柱となり、また、広島市の土砂災害など大規模災害の復旧に1391億円を確保するなど、災害復旧関連では7578億円を計上したとされている。しかし、以下のような、多くの問題を抱えていると言わざるを得ず、今月下旬に召集される通常国会でしっかり論戦を挑んでいきたい。

2.総理の「自己都合解散」により、来年度予算と併せて編成するスケジュールとなり、事実上3年連続となる「15か月予算」となった。この間、補正予算は、政治主導で「便利な財布」として使われ、必要性や効果が不明確な事業も盛り込まれてきた。補正予算と本予算を利用した会計間の「粉飾予算」となっていないかもあわせて、厳しく精査していく必要がある。

3.今回の補正予算案は、昨年12月27日に政府が決定した3.5兆円規模の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」の一環とされ、「厳しい状況にある生活者や事業者への支援」を理由にしているが、そもそも実質GDPが2四半期連続でマイナスとなり、実質賃金も17か月連続の減少などの「厳しい状況」を招いたのは、アベノミクスの結果である。アベノミクスが失敗したが故に、今回、地方や中小企業向けの対策を講じざるを得なくなったのである。富裕層や大企業に富を集中させるのがアベノミクスの実態であり、トリクルダウン理論は成り立たない。地方や中小企業に「好循環を波及」させるというアベノミクスの考え方自体の誤りを認めるべきである。

4.かつて安倍総理は、消費税増税とそれに伴う経済政策パッケージについて、「ベストシナリオ」だと大々的に宣伝したが、そのシナリオが失敗に終わったことも明白である。それを覆い隠して地方や中小企業支援を謳うことは、安倍政権の経済運営失敗の尻ぬぐいであり、統一自治体選挙を前にした、バラマキ以外の何物でもない。

5.地方の抱える課題は地域ごとに異なり、自治体が自ら人口減対策や地域活性化など幅広い事業に自由に使える交付金の創設が求められていた。今回、自治体向けに、商品券の発行など「地域消費喚起・生活支援型」事業と、雇用の場創出などで地方活性化を促す「地方創生先行型」事業が対象の「地域住民生活等緊急支援のための交付金」が約4200億円規模で設けられた。自治体が自由に使える形にすると言いながら国が12項目の事業を例示するなど、真に自由度が高いかどうか疑問が残る。一括交付金の復活や地方交付税の充実強化でしっかりと対応すべきである。

6.プレミアム商品券の発行支援が喧伝されているが、かつて実施された地域振興券の焼き直しにすぎない。家計が振興券で浮いた金額を消費に回さずに貯蓄に振り替えただけに終わり、消費喚起や地域おこし、景気への波及効果がほとんどなかったことを真摯に検証すべきである。

7.補正に計上される防衛費が約2110億円と13年度補正に比べ倍増している。補正予算全体に占める比率も6・8%と、約3倍になった。内容的にも、沖縄の米海兵隊のグアム移転、米軍普天間基地移設に関する施設整備費に加え、輸送ヘリの改修、軽装甲機動車の整備、離島の拠点整備などまで含まれている。軍事によって経済成長をはかろうとする政権の意図が透けて見える。補正予算の編成は財政法で、緊急に必要となった場合などに限られていることからも、問題である。

8.福島県における中間貯蔵施設の建設をめぐり、かつて石原伸晃元環境相が「最後は金目でしょ」と発言したが、東京電力の責任追及や法的処理抜きに、除染・中間貯蔵施設の費用負担として国費をつぎ込むことは認められない。

9.安倍総理は2013年10月1日、消費税率8%への増税を判断した際、低所得者に対する適切な配慮として「簡素な給付措置」(臨時福祉給付金等)を講じるとした。それにもかかわらず、住民税非課税の低所得者(2400万人)への「臨時福祉給付金」について、最高1万5000円であった給付措置を一律6000円に減額するとしている。さらに、中学生以下の子育て世帯(1350万世帯)に、子ども1人あたり1万円を支給した「子育て世帯臨時特例給付金」の中止も決定している。今回の補正予算に盛り込まれた、聞こえのいい「生活緊急支援」なる税金バラマキ策の一方で、本当に困っている人々への給付金を切り捨てる安倍政権の姿勢は極めて問題であり、「地域消費喚起・生活支援」とは名ばかりであると断じざるをえない。

10.今、必要なことは、「トリクルダウンではなくボトムアップ」である。社民党は、家計の可処分所得を増やす施策に万全を期すともに、8%に引き上げた消費税率を5%に減税して消費拡大で内需を喚起し、経済の好循環を実現するよう求め、引き続き奮闘していく決意である。

以 上