声明・談話

2014年9月3日

第二次安倍改造内閣の発足に当たって(談話)

社会民主党幹事長
又市 征治

1.安倍政権は、本日午前中に自民党三役人事を決定した後、午後に内閣改造を行い新たな閣僚名簿を発表した。しかし、国民のための政策を遂行するために、改造を行うというのであればわかるが、何のための改造なのか、今なぜ改造しなければならないのかがよくわからない。人選を見ると、ライバル封じ込めとお友達の起用などを通して、安倍首相が自らの権力基盤を維持・強化するためだけの改造のように感じられる。

2.まず、今回の焦点となったのは、次期総裁選のライバルともいえる石破幹事長の処遇である。石破幹事長を党務から外して、最初は安保法制担当で苦労させようとしたが、それができないとなると、地方創生担当相として閣内に取り込むことにした。しかも、地方行財政を所管する総務大臣に首相に近い高市元政調会長をあて、実質上、石破地方創生相の封じ込めに成功したのではないか。

3.また、今回の改造で、「最後は金目でしょ」発言などで閣僚としての適確性を疑われた石原環境大臣、パソナ問題で味噌をつけた田村厚生労働大臣はじめ、政権の足を引っ張りかねない閣僚は一掃し、一方、塩崎厚労相や山谷拉致問題相、高市総務相ら、首相に近い「お友達」といわれる人材やいわゆるタカ派に属する人材が積極的に起用された。TPP問題の西川農相らのように、論功行賞の面もぬぐえない。また、東日本大震災の復興が進まない中、復興相・原発事故担当相が東北出身でなくなり、現地の声が届かなくなることを懸念する。

4.女性を5人閣僚に起用し、女性活用のイメージと新鮮さをアピールしようとしたようだが、「人気とり」にほかならず、必ずしも適材適所と言いがたい人事も見受けられる。むしろ女性活用が、安倍政権の進める様々な悪政や国民に不人気な政策を隠蔽することになりはしないか懸念される。目玉人事とされる、小渕元少子化相の経産相への起用も、小渕人気をてこに、原発再稼働を進めようとするとともに、将来の女性宰相候補を封じ込める狙いが感じられる。

5.今回の改造には、安倍政権を各派閥で支える挙党態勢作りという面もある。新たに入閣した望月環境相は岸田派、西川農水相は二階派、竹下復興相は額賀派、江渡安保法制相兼防衛相は大島派のそれぞれ事務総長である。留任した麻生副総理、岸田外相、高村副総裁、新任の谷垣幹事長、二階総務会長らとあいまって、各派閥の領袖や事務総長をうまく取り込み、政権基盤を確立・強化した格好となっている。

6.一方、菅官房長官、麻生財務相、甘利経済再生相、岸田外相、下村文科相、太田国土交通相は留任した。集団的自衛権行使容認などの戦争できる国づくり、大企業のためのアベノミクス、原発再稼働・原発輸出推進、TPP推進、消費税増税、対米追従・アジア軽視の外交、強権的な教育再生等、安倍政権の「戦後レジームからの脱却」路線と「世界で一番企業が活動する国づくり」の根幹は変えないというメッセージであろう。

7.安倍政権の暴走を進めるための「右向け右内閣」といわんばかりの今回の改造は、集団的自衛権行使、消費増税、原発、TPP、日中・日韓関係など山積課題を乗り切るために首相に忠誠心の厚い人材を登用し、党・内閣を通じて安倍氏にものを言う人材を潰した人事・改造であり、国民にとって百害あって一利なしである。改造されるべきは安倍首相自身の好戦的で大企業奉仕の思考である。社民党は、政権の進める政策と国民世論のねじれを厳しく追及し、集団的自衛権行使容認や原発再稼働、消費税増税、社会保障や労働法制の改悪などの安倍政権の暴走を食い止め、国民生活の向上と平和で安心して暮らせる社会の実現に向けて全力で対決する決意である。

以上