声明・談話

2014年5月9日

「改憲手続法」改正案の衆議院通過に当たって(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日、「改憲手続法(日本国憲法の改正手続に関する法律)」改正案が与野党7党の賛成で衆議院を通過した。社民党は、「3つの宿題」の解決内容が中途半端になっており、またそれ以外の多くの課題や議論を置き去りにしたまま、「改憲手続法」の整備だけを急ぐことは断じて認められないとの立場で、反対した。

2.第1次安倍内閣当時の2007年5月に強行制定された「改憲手続法」は、公職選挙法の選挙権年齢や民法の成人年齢の「18歳以上」への引き下げ、公務員の政治的行為の制限に係る法整備、国民投票の対象拡大についての検討の3つが「宿題」とされ、前の2つは、制定後3年間で法整備を行うとされてきた。それができなかったのは、国民が憲法改正を求めていないからである。今回、「改正法の施行後速やかに、投票権年齢と選挙権年齢の均衡等を勘案し、必要な法制上の措置を講ずるものとする」旨の検討条項を改正法附則に規定しているが、この期に及んで見切り発車は問題であり、「改憲手続法」成立時の前提が崩れたといわざるを得ない。

3.主権者たる国民の憲法制定権の行使を保障する憲法第96条の趣旨に鑑み、公務員といえども、その地位を利用する場合を除き、国民・市民の一人として、その活動・運動の自由は、最大限に尊重されなければならない。しかし、今回の法案の附則に、公務員の組織的な勧誘運動等に対する規制の検討条項が盛り込まれ、また、附帯決議において、公務員等および教育者の地位利用による国民投票運動の禁止規定違反に対して罰則を設けることの是非について今後の検討課題とされているのは問題である。

4.今回、とにかく多数で法案の提出・成立を優先したためか、衆議院段階の審査では、答弁の矛盾が相次ぎ、今後に対する各党の思惑の違いも明らかになった。参議院ではこうした矛盾を徹底的にただしていく。さらに、法制定時に18項目の附帯決議がつけられており、「3つの宿題」以外に残されている論議すべき多くの課題がある。とりわけ、法施行までに検討を加えることとされていた、最低投票率の扱いも決まっておらず、こうした課題も追及していく。

5.改正案提出を受けて「憲法改正の環境が整ってきた」(菅義偉官房長官)などとの声もあるが、多くの課題や議論を置き去りにしたまま、「改憲手続法」の整備だけをなぜ急ぐのか、危惧を抱かざるを得ない。集団的自衛権行使を憲法解釈変更で容認しようとする問題とあわせて、憲法改正国民投票の準備を進めることを許さないよう、広範な市民との連携を強め、あらゆる努力を傾注していく。

以上