声明・談話

2014年4月25日

オバマ大統領の来日と日米共同声明等について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.米国のバラク・オバマ大統領が4月23日、国賓として来日し、2泊3日の一連の日程を終えて、25日午前、次の訪問国である韓国に向かった。米大統領が国賓として来日するのは1996年のクリントン氏以来18年ぶりである。23日、安倍総理は銀座の寿司店でオバマ氏をもてなして親密ぶりを示し、24日の首脳会談後の共同記者会見でも「バラク」とファーストネームで呼びかけるなど、日米関係の立て直しをアピールした。

2.首脳会談では、環太平洋経済連携協定(TPP)について協議を続けることや、拉致問題への共同の対処、二国間交流の拡大などについて一致。オバマ大統領は、「日本の施政権下にある領土、尖閣諸島も含めて日米安保条約第5条の適用対象になる」と、米大統領として初めて尖閣諸島の防衛義務に言及した。また、安倍総理がすすめる集団的自衛権の行使容認の検討についても「歓迎し支持する」とした。

3.今回のオバマ大統領の来日によって昨年末の安倍総理の靖国神社参拝について「失望した」と強く批判され、亀裂を指摘されていた日米関係が一定程度は修復されたように見える。しかし一方では、リベラル志向で戦後の世界のレジーム(体制)を代表するオバマ大統領と、「戦後レジームからの脱却」を掲げるタカ派で歴史修正主義者の安倍総理との微妙な距離感を感じさせる場面も随所で見受けられた。結局、オバマ大統領は米国の実利を踏まえ、「大人の態度」で安倍総理との関係修復に応じたが、安倍総理の政治理念にまるごとお墨付きを与えたとは思えない。

4.共同声明でも尖閣の防衛義務に言及したが、記者会見では「尖閣問題で事態がエスカレートし続けるのは正しくない」、「平和的に問題を解決することを望む」と注文をつけている。尖閣の領有権についても「特定の立場は示さない」としており、「米国は中国と強い関係を持っている」、「米中関係は中国が平和的に台頭することを支持している」と中国への配慮を示した。集団的自衛権の行使容認などについても「検討を行なっていること」への支持に過ぎず、むしろ地域の「信頼醸成措置の確立」(共同声明)を強調していることを重く受け止めるべきである。

5.今後、安倍総理が自分勝手な認識で、オバマ氏の「支持」を国内の説得材料として使ったり、「普天間飛行場の移設を強い意志で早期かつ着実に進める」ことや、米国の望む幅広い安保・防衛協力を加速させる懸念がある。また、TPPでは今回は決着に至らなかったものの、「前進する道筋を特定」(共同声明)したことによって、今後大きく譲歩を迫られていくおそれも強い。もとより良好な日米関係自体は重要であるが、安倍総理が自らの政策への米国の「支持」を得るために、日本の農業や沖縄県民の生存権が犠牲にされることがあってはならない。

 社民党は、今後も安倍政権の外交・安全保障政策を厳しく監視し、非軍事面を中心にした日米関係の強化を求めていくものである。

以上