声明・談話

2014年4月1日

消費税の税率引上げ実施に断固抗議する(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

1.消費税の税率8%への引上げが、本日より実施されることとなった。しかし日本経済の実態は、円安に伴う輸入原材料費などの上昇による、コストプッシュ型の「わるい物価上昇」であり、公共事業による官需と増税前の駆け込み需要にすぎない。「デフレマインドを払拭する」とも総理は言うが、この4月から国民年金・介護の保険料負担や医療費の窓口負担の増加、高校無償化への所得制限導入、年金支給額の減額、5月には電気料金の大幅引き上げ、6月から復興住民税の10年間にわたる増税、9月からは厚生年金保険料の毎年の増額など、多くの国民が景気回復の実感をもてない中で増税を実施するとは言語道断である。

2.政府は「経済対策」により消費税増税による景気の冷え込みを抑制するなどと言うが、実態は公共事業によるバラマキと復興特別法人税の前倒し廃止分も含む法人税減税である。国民に対して国・地方合わせて約5兆円分を増税する一方、222兆円もの現金・預金(13年12月末残高)をため込み、賃金のベースアップも一部にとどめている企業に対して、今年度の税制改正において約1.2兆円もの法人税減税を行っており、企業優遇・国民負担増に他ならない。さらに輸出企業は輸出免税(ゼロ税率)により、仕入れ分の消費税額が還付されている。また、派遣社員を使えば外注費に計上でき、支払う消費税を減らす効果がある。一方、企業の99.7%を占め、働く人の7割が勤める中小零細企業は、消費税増税分だけではなく、円安による原材料費の高騰分などを価格転嫁できず、必死にコスト削減で対応しているという構造がある。今後、大企業と中小零細企業の格差拡大の恐れは大である。

3.消費税増税の目的は、社会保障の安定・充実と財政健全化の同時達成であったはずだ。しかし、14年度の消費税率引上げに伴う増収分を5兆円と見込んだにもかかわらず、社会保障の「充実」分には0.5兆円しか充当されていない。また、社会保障「安定」の内実は、自助・自己責任を推し進め、家族に負担を押し付ける事実上の社会保障「切り捨て」である。基礎年金国庫負担割合2分の1の恒久化に約2.95兆円を注ぎ込んでいるが、年金支給額の減少だけでなく、無年金・低年金の問題は放置されている。さらに、消費税増収分が、「おカネに色はない」がゆえに、公共事業や防衛予算への流用・膨張を招き、財政の健全化どころか財政の悪化を招いていると断じざるを得ない。結局、税と社会保障の一体改革とは、消費税増税と社会保障切り捨て、国民負担増と大企業優遇の「一体改革」となってしまっている。

4.消費税については、高所得者よりも低所得者の税負担率が高まる逆進性の問題がある。「簡素な給付」(臨時福祉給付金)を一度だけ支給するなどは、言うまでもなく簡素すぎ、国民を欺いているとしか言いようがない。しかも「簡素な給付」は、支給がこの4月には間に合わず、単身者でワーキングプアと言われる人々の大半が対象外となり、低所得者支援とは名ばかりである。まず何よりも、生活必需品に対する消費税額戻し金や複数税率など実効性ある逆進性緩和策の導入、所得税率のフラット化の抜本的見直しとブラケット(税率適用所得区分)の細分化により、累進性を強化していくべきである。また、消費税の増税は、所得税・法人税減税による減収分の穴埋めをするかのように機能してきた。所得税の所得再分配機能を取り戻し、法人税の税収調達能力を回復すべきである。

5.社民党はこの間、「消費税増税法廃止法案」の制定に向け尽力してきたが、野党の足並みが揃わなかった。GDPの6割を占める個人消費の活性化を妨げる消費税増税は、断固撤回すべきである。政府の消費税率10%への引き上げ判断を何としても断念させ、賃金を低下させる雇用の規制緩和を食い止めるべく、社民党は、国会内外の幅広い連帯強化に粉骨砕身していく決意である。

以上