声明・談話

2014年3月27日

水循環基本法案の成立に当たって(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.社民党は、社会党時代の1992年、党内に水対策特別委員会を設置し、1993年、分権・自治による水質保全原則の確立、汚染源の規制、水道水の水質基準の拡充・厳格化、汚染処理システムの完備、上水道財政の改革を柱とする「水政策草案」をとりまとめた。そして、自治労、全水道などの関係労働組合とともに、生きていくうえ上で必要な量の清潔な水を得ることは基本的人権であり、「すべての水は公共のものである」ことを基本理念として、水の基本理念の確立、水行政の一元化と総合的な水の管理制度の確立等を定めた、「水基本法」の制定を目指してきた。

2.他方、2008年6月、超党派の国会議員や有識者などで構成される「水制度改革国民会議」(理事長・松井三郎京大名誉教授)がスタートした。同会議のもとに各党議員が共同座長となる「水循環基本法研究会」が設置され、2009年12月、水循環政策大綱案」と「水循環基本法要綱案」が策定された。そして、2010年2月、超党派の「水制度改革議員連盟」の設立に至り、2012年3月22日、国連「世界水の日」である「水循環基本法案」を取りまとめた。その後、2度の廃案を経たものの、「水循環基本法案」は本日の衆議院本会議において全会一致で成立をみた。同法案は、水循環に関する施策を総合的かつ一体的に推進するため、水循環に関する施策について、基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにし、並びに水循環に関する基本的な計画の策定その他水循環に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、水循環政策本部を設置するものであり、社民党として成立を歓迎するとともに、関係者のご尽力に敬意を表したい。

3.現在も水行政は、水道は厚生労働省、水質保全は環境省、水資源と河川、下水道が国土交通省、農業用・排水は農林水産省、工業用水と水力発電は経済産業省等といったように、それぞれに縦割りに所管され、生態系の保全、地下水、し尿処理や浄化槽は環境省であり、森林、畜産排水や農薬使用は農林水産省の領域というように、省庁や部局ごとに分かれている。そして、水そのものを総合的に扱った法律はない状況にある。「水循環基本法」は、こうした水行政を取り巻く現状を改革し、国が水循環に関する施策を総合的・一体的に推進し、健全な水循環を維持・回復させ、わが国の経済発展や国民生活の向上に寄与するものである。また、都市部への人口の集中、産業構造の変化、地球温暖化に伴う気候変動等の様々な要因が水循環に変化を生じさせ、顕著となってきている、渇水、洪水、水質汚濁、生態系への影響等様々な問題への解決のよりどころとして期待される。

4.「水循環基本法」は、基本理念の中で、「水が国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものであることに鑑み、適正な利用が行われるよう配慮されなければならない」と「水の公共性」について明記していることや、複数の省庁で対応している関係施策を調整し、水循環に関する施策を総合的かつ一体的に推進するため、「内閣に水循環政策本部を置く」とするなど、「水基本法」の趣旨の多くが盛り込まれている。法律で規制されていない地下水を国や自治体の管理対象に含めるとともに、水源の保全策を定めることも義務付けていることなども評価できる。

5.21世紀は「水の世紀」と言われ、環境保全や災害危機管理への意識が高まり、国際的にも「水」が重要な課題となっている。水が人類共通の財産であることを再認識し、水が健全に循環し、そのもたらす恵沢を将来にわたり享受できるようにすることが求められている。社民党は、「水循環基本法」の成立を現段階の到達点として受け止め、引き続き、関係団体とともに、持続可能な共生型社会の形成をめざし、生命の源である水を永遠に守る国民的取り組みと、そのことを担保する水制度改革を推進していく決意である。

以上