声明・談話

2014年2月27日

「アンネの日記」と関連図書の卑劣な破壊事件を許さない(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.2014年2月、東京都内の公立図書館が所蔵する「アンネの日記」や、「ハンナのかばん」、多くのユダヤ人にビザを発行して命を救った日本の外交官である杉原千畝の伝記、ホロコーストに関する書籍など、少なくとも80種類、300冊以上が何者かによってページを破られるなどの被害に遭っていたことがわかった。また、横浜市の横浜市中央図書館でも同様の被害があったことが判明している。

2.公立図書館の蔵書は、人類共有の知的・文化的な財産であり、公立図書館は、そのような人類共有の知的・文化的財産を市民が共有し、読書の秘密を守りつつ広く市民に提供し、次の世代に伝えていくことを任務としている。いかなる理由においても図書館の貴重な蔵書を意図的に毀損することは、市民の読書活動を阻害し読書権を侵害するものであり、断じて許されない。このような卑劣な愚行は二度と繰り返されてはならず、捜査当局による徹底捜査、実行者の特定・検挙、事件の全容解明を強く求める。

3.「アンネの日記」は、第2次世界大戦中、ナチス・ドイツによる迫害から逃れ、ドイツ占領下のアムステルダムに家族と隠れて暮らしていたユダヤ人の少女アンネ・フランクがつづった日記をもとにした本であり、戦争や人種差別の問題を少女の目線から描いた名作としてその価値が認められ、2009年にはユネスコの世界記憶遺産に登録されている。こうした「アンネの日記」をはじめとする図書が広範囲かつ大量に冒涜されているということは、単なる愉快犯による単なる器物破損事件にとどまらないのではないか。第二次世界大戦中ナチスによるホロコーストで殺された150万人のユダヤ人の子どもたちの記憶そのものを侮辱し、「この恐ろしい戦争は、いつかは終わるでしょう。私たちがただユダヤ人というのでなく、再び一般の国民となる日がきっと来るでしょう」など、厳しい状況の中でも希望を捨てずに生きたアンネの思いをふみにじろうとする組織化された運動であることが危惧される。

4.事件の背景に、差別思想、排外主義、歴史修正主義、戦争肯定論のようなものがあり、朝鮮・韓国人蔑視のヘイトスピーチやヘイトデモ、従軍慰安婦問題の否定や、「はだしのゲン」に対する攻撃・排斥などと一連のものであるのではないか。麻生副総理が「ナチスの手口を学べ」と勧めたが、図書の破壊という行為には、ナチスによる焚書の現代版という側面を感じざるを得ない。安倍政権の右翼的で排外主義的傾向がこうした風潮に拍車をかけている側面もあるのではないか。この事件に対し、国際社会は大きな反応をみせており、ナチスばりに「意思の力」を強調する安倍首相は、率先して、レイシズムや歴史修正主義と対決し、表現の自由を守る姿勢を表明すべきである。

社民党は、こうした社会的雰囲気や時代の閉塞感の高まりに強く危機感を抱く皆さんとの連携を一層強化していく。

以上