声明・談話

2014年2月14日

集団的自衛権行使の容認をめぐる安倍首相の発言について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.安倍晋三首相は、2月5日の参議院予算委員会で民主党・羽田議員の質問に答えて、集団的自衛権の行使について「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能」であり、憲法改正は必ずしも必要でないと答弁し、2月12日の衆議院予算委員会では民主党・大串議員の質問に答え、政府の「最高責任者は私」であり、「政府の答弁に私が責任を持って(判断し)、その上において、私たちは選挙で国民から審判を受ける」と述べた。また内閣法制局長官事務代理の横畠内閣法制次長は、「一般論として従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではない。集団的自衛権の問題も一般論の射程内」だと首相の答弁を追認した。加えて、憲法の明文の変更なくして集団的自衛権の行使は認められないとしてきた公明党所属の太田国土交通大臣も、安倍総理の考えに「同意している」と述べた。

2.歴代内閣は、わが党の前身である社会党を中心とする長年の国会論戦の中で、「我が国が、国際法上、集団的自衛権を有していることは主権国家である以上当然であるが、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」との見解を表明し(1981年5月29日の政府答弁書)、その後この憲法解釈が確立してきた。
今回の答弁は、確立した憲法解釈を大きく踏み越えるものであり、断じて認めることはできない。

3.しかも選挙で審判さえ受ければ憲法解釈を変えることが可能だと明言している。
憲法解釈に関する政府見解は論理的に全体の整合性を保ち、歴代内閣の議論の積み重ねを尊重するのが当然であり、時の内閣が得手勝手に変更するようなことがあってはならない。選挙で勝てば自らの判断で憲法解釈を変更できるとする安倍首相の考えは、 国民の自由や権利を守るために政府を縛る規範である「立憲主義」の憲法の理念を否定するものである。

4.憲法は一般の法律や政策とは異なり、政府の行為を制約することが本質的な役割である。だから憲法に違反する法律や政府の行為を無効と規定した憲法第98条や国務大臣や国会議員に憲法尊重擁護義務を課している第99条が規定されている。これが時の内閣によって否定されるとすれば、法治国家の根幹が揺らぐこととなる。安倍首相には強く抗議し猛省を求めたい。
社民党は国会で安倍首相の答弁を厳しく追及すると同時に、院外の憲法を守る闘いとも結びながら立憲主義擁護の闘いを強化していく決意である。

以  上