声明・談話

2013年12月19日

「国家安全保障戦略」と新たな防衛大綱・中期防衛力整備計画について(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

1.安倍内閣は、12月17日の閣議で、「国家安全保障戦略(NSS)」と、新たなと「防衛計画の大綱(防衛大綱)」・「中期防衛力整備計画(中期防)」を決定した。NSSは先の臨時国会で根拠法が成立し、12月4日に発足した国家安全保障会議(日本版NSC)の行動指針となるもので、「おおむね10年程度の期間」の日本の外交・安全保障の基本方針とされる。従来、安全保障政策の最重要方針であった防衛大綱は、この期間中の防衛力整備を示すものに格下げされた。新中期防は5年間の詳細な整備計画と位置づけられた。

2.今回のNSSや新防衛大綱は、昨年末の総選挙で自民党が「防衛大綱、中期防を見直し、自衛隊の人員、装備、予算を拡充する」とした公約を踏まえ、中期的に防衛予算が漸減してきた傾向を反転させ、防衛力の強化に舵を切ろうとするものだ。中国の軍事的台頭や北朝鮮への懸念を強調し、軍事的対抗をはかるために日米同盟の強化と自衛隊の増強をはかる軍事偏重の内容であり、断じて認めるわけにはいかない。

3.NSSは「国家安全保障の最終的な担保となるのは防衛力」と基本方針でうたい、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」している日本国憲法の平和主義に真っ向から対決するものである。「武器輸出三原則」を廃止して新たな原則を策定しようとするなど、これまでなし崩し的に空洞化が進んできた武器禁輸原則も最終的に投げ捨てるものである。また防衛大綱はこれまで引き継いできた「節度ある防衛力整備」の記述を削除し、「防衛力の『質』及び『量』を必要かつ十分に確保」することを強調している。陸上自衛隊の定員は5千人の大幅増になる15万9千人とし、中期防で示される5年間の防衛費の総額も24兆6700億円と1兆円以上も増加された。

4.新大綱は、イージス艦や最新鋭ステルス戦闘機などを増強し、オスプレイや無人偵察機、新型空中給油機を新たに導入するとともに、米軍の海兵隊に近い「水陸機動団」を創設するなど大幅な態勢強化を打ち出した。さらに、「弾道ミサイル発射手段等にたいする対応能力」を検討し「必要な措置を講ずる」として敵基地攻撃能力の整備を予定している。これは、自衛隊の役割を「専守防衛」の実力組織から、海外に派兵し実戦を戦える派兵の軍隊へと変貌させる危険な企みであり、軍事的緊張の拡大と悪循環をもたらすものでしかない。

5.また、NSSには「愛国心」を強要する記述が盛り込まれ、国家の安全保障政策が個人の思想信条より優先するという本音をあからさまにした。「思想および良心の自由」を保障した憲法に反し個人の内心に踏み込むことは許されない。
社民党は、軍事に偏重し個人に「愛国心」を強要する、時代錯誤の安倍政権の安全保障政策に強く反対し、その撤回を求めるものである。

以上