声明・談話

父子家庭への遺族年金、政令で支給対象を狭めるな
厚労省に党が要請

昨年成立した「年金機能強化法」により、父子家庭にも遺族年金が来年4月から支給されることになりました。しかし、厚労省は政令で支給対象を狭めようとしています。社民党厚生労働部会は、母子、父子を問わず、死別ひとり親家庭の年金充実を求めて、厚生労働大臣に要請文を提出しました。


2013年12月13日

厚生労働大臣 田村憲久様

社会民主党 厚生労働部会長 福島みずほ

国民年金法施行令等の一部を改正する政令案についての要請

「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」が来年4月1日に施行されることに伴い、厚生労働省は同法の政令案(概要)を示しています。

同法により、遺族基礎年金の支給範囲が「子のある妻又は子」から「子のある配偶者又は子」に改正され、支給対象が父子家庭にも拡大されることは、男女差の解消、共働き世帯の増加等の観点から評価いたします。

しかしながら、政令案が、第3号被保険者が死亡した場合には遺族基礎年金の支給要件に該当しないとする、新たな制限を設けていることは非常に問題です。厚労省は、その理由として、第3号被保険者は世帯の生計を維持していないとしています。しかし、所得の低い世帯では配偶者控除内の所得であっても、家計に大きな役割を果たしている場合は多く、一律に生計を維持していないとは言い切れません。また、第2号被保険者から事故や病気等によりやむを得ず第3号被保険者になる場合もあります。とくに、ひとり親家庭においては、家事・育児など家族的責任が片親のみにのしかかることとなり、亡くなった配偶者が担ってきたアンペイドワーク(無償労働)を正当に評価することも必要です。

政令案によれば、会社員に扶養される配偶者(第3号被保険者)が亡くなった場合、残された会社員が夫か妻かを問わず、遺族基礎年金を支給ないことになります。現在は、会社員が妻の場合でも、年収が850万円未満であれば遺族基礎年金は支給されており、政令案では、制度が後退してしまいます。政令は、一律に第3号被保険者を除くのではなく、現行の収入基準をもとに対処すべきです。(2011年度全国母子世帯等調査によると、死別の場合、母子世帯の年間収入は451万円、父子世帯の年間収入は568万円)

さらに、遺族厚生年金法では、会社員だったときの病気が原因で初診から5年以内に死亡、25年以上厚生年金の保険料を納め受給資格を満たしている等、一定条件を満たせば、死亡した時点で第3号被保険者であっても、遺族厚生年金を家族に支給できます。しかし、政令案では、遺族厚生年金が一切支給されず、会社員時代に得た受給権を奪ってしまうことになります。

本年の通常国会では、全会一致で「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立しました。母子、父子を問わず、死別ひとり親家庭に対する遺族年金の充実を求め、以下、要請いたします。

1,遺族基礎年金、遺族厚生年金の支給要件については、一律に第3号被保険者を除くのではなく、収入基準の見直しで対処すること。

2,第3号被保険者制度について、女性の就労促進、国民年金制度加入者ならびに共働き世帯や単身世帯との公平性の観点から抜本的な見直しに早急に取り組むこと。

以上