声明・談話

2013年12月12日

2014年度与党税制改正大綱の決定について(談話)

社民党幹事長 又市征治

1.本日、自民・公明両党は、2014年度の与党税制改正大綱を決定した。しかし、取りやすいところから取って帳尻合わせの無理くり調整など、何のビジョンも感じられず、消費税増税を既定路線とするための地ならしと企業減税のオンパレードばかりが目立つものとなっている。また、大綱の決定のプロセスが不透明であり、官邸と与党税調の綱引きに終始し、国民に公開されたオープンな場での議論がなされたとは言えないのも問題である。

2.焦点となっていた消費税の複数税率化(軽減税率の導入)は、憲法25条に基づく健康で文化的な最低限度の生活には税を課さないという最低生活費非課税の理念のもとに、税率のいかんに関わらず検討し実施すべきものである。「必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得たうえで消費税率10%時に導入する」としているのは、自公の政治決着であると同時に、消費税率10%への引き上げを既定路線としていることからも容認できない。

3.消費税についての十分な逆進性対策が講じられない一方、企業優遇減税は顕著となっている。復興特別法人税を1年前倒しで廃止するというのは、「連帯し負担を分かち合う」という復興基本方針に反している。企業の負担すべき部分の国民へのツケ回しは、まさに「個人増税・法人減税」という他はない。また、大企業の接待交際費の半額非課税化は、企業優遇税制の典型であるのみならず、政官財の癒着構造を強化しかねない。国家戦略特区における減税策は、グローバル企業の利益を優先するとともに、それが国民生活の向上に寄与しないことは明らかである。小額投資非課税制度(NISA)の拡充も、「貯蓄から投資へ」の流れを強化し、個人の生活費をリスクに晒し、グローバルな投資家の餌食になる可能性が大である。

4.所得税については、税収調達力の回復と不公平税制の是正に向け、最高税率の引き上げやブラケットの見直しを通じた累進性や再分配機能の強化を追求すべきである。今回の高額所得者(16年1月から年収1200万円超、17年1月から年収1000万円超を対象)の給与所得控除の縮小それ自体は了とするが、消費税増税に伴う低所得者の高まる負担感に対し、「お茶を濁す」かのような安易な施策ともいえる。また、今後、中・低所得者層の給与所得控除の引き下げ圧力が強まることも懸念され、注視が必要である。

5.軽自動車税を二輪車も含め増税することになったが、議論が不十分であり、安易な増税決定には問題が残る。TPP交渉にかかわる日米事前協議や並行協議における、アメリカからの日本の軽自動車に対する安全基準や優遇税制に対する転換圧力によるものだとすれば、なおのこと看過し得ない。農山漁村地域などで住民の貴重な移動手段であり生活手段でもある軽自動車への増税は見送り、自動車課税全体の抜本的な見直しを目指すべきである。

6.消費税率引き上げに伴い、自治体の財政力格差がこれ以上広がらないようにすることを名目に、2008年度税制改正で法人事業税を一部国税化することにより創設された地方法人特別税・地方法人特別譲与税が継続されることになった。分権・自治の流れに反するものであり、異例の暫定措置であることから、廃止の上法人事業税に復元することを基本に検討すべきである。加えて、都道府県及び区市町村の法人住民税法人税割の一部を国税化して交付税原資とすることになったが、市町村の基幹税を召し上げることは問題である。財政調整と格差是正のためにも、交付税法定率の引き上げなど、地方交付税そのものの強化が必要である。

7.企業業績がどれほど改善しても、その恩恵がトリクルダウンしないことは、バブル崩壊以降、労働者の平均給与が約60万円も減少したことからも明らかである。今後も社民党は、所得税・法人税を基幹税と位置付け直し、法人税率の引き下げ・消費税率アップを容認せず、不公平税制を転換していくことを強く求めていく。

以上