声明・談話

2013年11月20日

 タクシー事業関連3法案の成立に当たって(談話)

  社会民主党ハイヤー・タクシー対策特別委員会
委員長 吉田忠智

 

1.本日の参議院本会議で、「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律案」(タクシー事業関連3法案)が社民党はじめ各党の賛成で可決・成立した。社民党は党内にハイヤー・タクシー対策特別委員会を設置し、全自交労連や私鉄総連と連携して、行き過ぎた規制緩和による競争激化で悪化したタクシー事業の需給・運賃の適正化、ハイタク労働者の労働条件の改善のため、「タクシー事業法案」の制定を目指してきた。この間のハイタク労働者や事業団体も含めた努力を背景に、与野党の協議を経て、タクシー事業適正化・活性化特別措置法等の改正案として提出されたものであり、今回の法案成立は一定の前進であると評価できる。

2.タクシーの規制緩和は「小泉構造改革」の象徴の一つであり、2002年の改正道路運送法施行で、タクシーは新規参入や増減車が原則自由化され、車の台数がどんどん増え、運転手の過重な労働や賃金の低下を招いていた。また、供給過剰によって、タクシーの交通事故率の高止まりなど公共交通機関としての安全性も懸念される事態となっていた。そこで2009年、タクシー事業適正化・活性化特別措置法が制定され、都市部で自主的な減車などを3年以内に行うよう促すなどしたが、協力しないタクシー事業者も出たり、附帯決議の基づいた過度な低運賃の是正が新潟のように独禁法のカルテルに該当するとされるところもあったりするなど、特措法の課題・限界も浮き彫りになっていた。

3.そこで今回のタクシー事業関連3法案は、地域協議会で決めた供給量削減措置について一定の強制力を持たせ(特定地域内の新規参入や増車は期限付きで「禁止」に強化、協議会に不参加の事業者にも、勧告・命令や営業停止・許可取り消し措置)、必要な減車・休車を確実に担保すること、特定地域指定解除後に急激に「元の木阿弥」状態になることを回避するため、「準特定地域」を創設することなどを盛り込んだ。なお、地域計画について、中小事業者の意見も十分に聞くことを規定するとともに、国土交通省のガイドラインを通じて、中小事業者つぶしにならないように配慮を行うことにした。また、運転手の賃金低下につながる過度の運賃値下げ競争を防ぐため、国交大臣が特定地域ごとに運賃の幅を定め、事業者はその範囲内で料金を決める新たな仕組みも設けた。その他、認可を受けた特定地域計画の独禁法の適用除外の明確化、タクシーの運転者登録制度の全国拡大、運転者の過労運転防止措置の義務づけ等も明記している。

4.このように、タクシー事業関連3法案は、「特措法の4つの課題」(①独禁法との関係②特定事業計画に非協力な事業者の問題③運賃問題④特定地域指定解除後の不安の解消)に向けて、一定前進した内容となっている。とはいえ、あくまでも規制緩和によって極限まで悪化したことへの応急処置であり、今後さらに、有償運送の分権化、運転代行制度の見直しが予定されるなど、ハイタク業界を取り巻く環境変化は厳しい。運賃・賃金制度の抜本的な見直しなどの課題も残されている。社民党は、タクシー事業関連3法案成立を現段階での到達点と位置づけ、今後とも全自交労連、私鉄総連等と連携してハイタク労働者の賃金・労働条件の向上と利用者の利便性・安全性の確保をはじめ、ハイタク産業の健全化に向けた取り組みを進めていく。

以上