声明・談話

2011年12月15日

農林水産大臣 鹿野道彦 様

社会民主党
党首 福島みずほ

国有林野事業の一般会計移行に関する要望

国有林野事業の一般会計移行で要請

 貴職の日夜にわたるご奮闘に心から敬意を表します。

さて、先般、森林・林業の再生プランの推進にむけ、森林法の改正、森林・林業基本計画の変更が行なわれました。再生プランの推進のた めには、国有林の有する組織、フィールド、資源、技術力を十全に活用し、地域の森林・林業を支援する役割を果たしていくとともに、より一層の公益的機能重 視の管理経営が重要になっています。

こうした中、政府は、国有林野事業の債務を区分整理した上で、組織、事業のすべてを一般会計に移行することを検討しています。

国有林野事業の改革は、98年の国有林野関係二法による抜本改革において、公益的機能重視の管理経営への移行、作業の全面民間委託化 と組織・人員の合理化・縮減、累積債務の一般会計への帰属等が行なわれました。このことにより、現場要員は当時から約3分の1まで縮減され、現場管理体 制・機能が著しく低下しています。

このままでは森林・林業の再生、木材自給率の向上、緑ゆたかな国土の維持、治山対策、組織・技術・資源の活用もおぼつかない現状となっています。

国有林野事業については、公益的機能の維持増進、森林計画・整備、民有林との連携、林業事業体の育成、木材の安定供給・需給調整、技術開発と人材の育成、災害対策・治山事業の推進、生物多様性の保全、国民との連携、山村地域の振興など多くの使命が期待されています。

社民党は、5月に「森林・林業の再生にむけた提言」を発表し、「国有林野事業は、その使命・役割を果たすため、林野庁における一元 的・一体的管理の下、早期に組織・事業の全てを一般会計へ移行させ、人材育成を図る中で現行体制の拡充を行い、民有林への指導・サポート、地域貢献を果た せる体制の確立を図ること」としました。

つきましては、国有林野事業が一体的な管理のもとで、民有林との連携、組織・技術・資源の活用、災害対策、山村社会の活性化を進め、森林・林業の再生に安定した力を発揮できるよう、下記のとおり要望いたします。

<記>

1 国有林野事業の「使命・役割」を果たすため、早期に組織・事業の全てを一般会計へ移行させ、人材育成を図る中で現行体制の拡充を行い、民有林への指導・サポート、地域貢献を果たせる体制の確立を図ること。

(1)2013年度を目途に、事業収入に左右されない一般会計の管理経営に移行し、民有林と国有林連携による木材の安定供給など再生プランの推進と東日本大震災の復興および雇用創出に寄与すること。

(2)住民参加による森林計画の策定、緑の回廊(コリドー)などを広げ、生態系保全機能の維持増進、国民参加の森づくりなどを進め、開かれた国有林を展開すること。

(3)公的森林整備のあり方は、施業放棄地等森林整備が困難な民有林地域(水源林造成事業を含む)については、山村振興対策の推進も含め当面、森林総合研究所森林農地整備センターにおいて実施すること。

2 一般会計に係る予算については、これまでの森林整備をはじめとする事業経費を拡大させるとともに、現在1.3兆円となっている債務については、区分経理する中で、経常事業に影響させない返済計画を検討し、処理すること。

(1)事業予算は、現行予算を最低ベースとし、温暖化対策に係る森林整備計画の着実な実施と効果的な治山対策が行なえる予算を毎年、着実に確保すること。

(2)債務処理は、これまでの止血措置に基づく利子補給を受けた返済計画を基本に、経営事業費等を確保するとともに、償還に要する財源を安定確保できる返済方式とすること。

3 一般会計化に伴なう組織・要員については、現行の組織体制をベースに、地域の森林・林業への積極的な支援など国有林に求められる新たな業務を適切に実施するために十分かつ安定的な仕組みとなるよう、農林水産省として明確化すること。

(1)組織機構は、現行体制を維持すること。森林技術センターは人材・技術開発分野を強化するとともに、森林管理局や森林事務所の人員を増員すること。

(2)要員は、係等の併任を解消しうる5,200人の定員規模を確保すること。
加えて、地域に精通し、フォレスター・森林官等のサポート、森林計画の樹立、路網整備等の業務を担う森林・林業技師(仮称)を森林事務所等に1~2名配置すること。

(3)一般会計移行にともなう労働条件については、これまでの雇用、身分等に係る労使協議・合意に基づくものとすること。

以上