声明・談話

2011年3月31日

第11回各党・政府震災対策合同会議実務者会合への提案

東日本大震災に関する提言(第九次)
~原発対応及び自治体関係について~

社会民主党

Ⅰ.原発関係

1.福島第一原子力発電所事故の一刻も早い収束

① 事故情報の開示を徹底し、事故の早期収束に全力を尽くすこと。

② 食品や水道水等の規制や被曝限度を緩和しないこと。

③ 予防的な視点に立ち、最悪の場合に備えた対応を検討すること。

④ 20~30キロ圏のグレーゾーンを解消し、完全避難を実現すること。

⑤ 30キロ以遠でも放射能汚染が明らかになった場合は個別に避難をさせること。IAEAが指摘している福島県飯舘村から避難させること。

2.安全・安心確保のためすべての原子力施設を見直し

① 福島第一原子力発電所の廃炉を速やかに決定すること。

② 中部電力・浜岡原子力発電所をはじめ地震や津波被害の危険性が高いと指摘される原子力施設は即時停止させること。

③ 新規の建設・増設計画はいったん凍結し、原子力利用に関する国民参加の論議の枠組みを設けて合意形成をはかること。

④ 事故の相次ぐ高速増殖炉もんじゅ、六ヶ所村核燃料再処理施設の運用を停止すること。軽水炉でのプルサーマルを行わないこと。

⑤ 老朽化した原子炉は当初の設計寿命もって廃炉とすること。

⑥ 原子力施設・技術の海外展開計画を凍結すること。

3.原子力安全規制行政を大胆に改革

① 事故の事後処理については経産省任せにせず、政治主導で行うこと。

② 事後の徹底検証のため情報保全を確実にするとともに、経産省原子力安全・保安院、原子力安全委員会、東京電力等から独立した検証委員会を設置すること。

③ 原子力安全・保安院を経済産業省から切り離して独立性の高い安全規制機関に改組(日本版NRC)したうえ、態勢を大幅に強化すること。

Ⅱ.自治体関係

今回の震災は、被災者が多く広範囲に被害が及んでいる。さらに大量の災害廃棄物の処理、壊滅・水没した住宅地や農地の所在、農業・水産業への被害が甚大 など、大規模な津波災害に伴う課題や、原子力発電所問題への十分な対応が必要である。いわば大規模広域複合災害といえる。

他方、災害対策、復旧・復興対策に当たる被災自治体は、複数に及び、財政力が低く、行政能力も打撃を受けた市町村が多い。そして、被 災地の現地市町村の職員の人的資源が圧倒的に不足し、また、県からも十分な職員派遣ができていない現状にあることから、このままでは、被災者支援活動を十 分に行うことができない。したがって、各自治体に対し、人的な面や財政面で最大限の支援する必要がある。

1.各県ごとに現地支援本部を置き、地元の被災者のニーズを把握し、迅速な対策を実施

①津波被害により役場が流失したり、多数の職員が被災したりするなど、市役所、役場の機能が失われている自治体が多く、被災者を支援す る行政機能が喪失していることから、国と県は共同で各県ごとに1000人規模の現地支援本部を設置し、被災地のニーズの把握と被災者支援に当たること。

②被災地の雇用創出の観点からも、失業した被災者を非常勤職員として採用し、現地支援本部や各市町村、避難所等のサポートを図ること。

2.被災自治体機能の強化と自治体間連携の推進、自治体の絆による互助の仕組み

①被災自治体が必要とする職種別、職能別の応援職員の人数調整や派遣先、派遣可能な応援職員の確保について、マッチングし調整すること。

②避難所運営の経験者の派遣、被災地の経験のある自治体によるノウハウ提供を強化すること。

③壊滅的な被害を受けたり、多数の職員が被災したりして機能を失った自治体の機能の回復を図ること。住民サービスについて県や周辺自治体による代行制度を整備すること。受け入れ自治体でも住民サービスが提供できるようにすること。

④自治体の絆による互助の仕組みとして、自治体間のマンツーマンサポート方式(特定の自治体が責任を持って、「スピード感のある対策」、「全面的な対策」、「将来を見据えた対策」を講じ、特定の被災自治体を支援する仕組み)を構築すること。
・支援自治体は、知恵と人員を負担し、被災市(町村)と協議しながら、その支援・復興のために人員を派遣し、知恵を出し、早期・全面的・将来を見据えた「新しい街づくり」を行う。
・支援市町村が財政力の弱い被災市町村に代わって「災害地方債」を発行し、それを公的機関が引き受け、最終的に国の責任で償還する仕組みを検討する。
・被災自治体と支援自治体とのマッチングは、「知事会」、「市長会」、「町村会」の賛同の下、「岩手県」、「福島県」、「宮城県」などの県知事を通じて、被災市町村と支援市町村の意見を聞いて行う。

3.受け入れ自治体関係

①越境被災者が避難先で一定期間生活できるよう、越境被災者対応を強化すること(住民登録、義務教育、住宅、社会保障などの弾力的運用)。

②被災者受入自治体の中に、避難した自治体住民の「自治区」を設けるなど、役場や学校等の機能が持続できる暫定的立法措置を検討すること。

4.財政支援の強化

①災害復旧事業の財源に充てた地方債の元利償還金の基準財政需要額への算入や、普通交付税の繰上交付措置を講じること。

②特別交付税を増額するとともに、交付を4月に前倒しすること。

③道路や港湾などの復旧に伴う被災自治体の財政負担や一定の公共的な施設・事業の復旧事業について、国庫補助率引き上げや対象範囲の拡 大を図るため、「阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」と同等以上の特別の財政援助法(自治体やの国庫補助の拡充)とし て、「東日本大震災被災者支援特別財政援助法」(仮称)を制定すること。

<規定内容案>
・自治体への特別の財政援助
・被災者の受け入れ、応援職員の派遣に対する財政支援の強化
・被災者の移送費用に対する国の支援
・被災者住宅の再建費用の国庫負担
・避難者を受け入れた自治体への財政措置の強化
・被災者生活支援に向けた政府の基金創設
・災害復旧に要する費用の国庫補助のかさ上げ(病院、火葬場、屠畜場、水道、廃棄物処理施設、社会福祉施設、社会福祉法人の施設等)及び対象の拡大
・被災した地域の居住する障がい者の自立支援法の特例(介護給付、訓練等給付、自立支援医療、補装具、地域生活支援事業の自己負担の免除等)

④府省を超えた使途の弾力化を図るなど、大規模な「災害対応一括交付金」を制度化すること。

⑤被災自治体及び受け入れ自治体の復旧・復興に関する経費を交付税総額の別枠算定とすること。

5.復興に向けて

①現状復帰にとどまらず、「新しい街づくり」を経て「創造的復興」まで国は責任を持つべきであり、地元主導の復興と財源措置を法的に位置づけた包括的な特別措置法を検討すること。

②現行制度ではできない事業にきめ細かに対応し、被災者の生活復興を支えるため、「震災復興基金」を設立し、自治体が生活再建や再開発、施設の修復、住宅整備などに弾力的に充当できるようにすること。

以上