声明・談話

2008年11月7日

「身近な地域に安心安全と豊かなお産の場」を確保する
総合施策を求める申し入れ

厚生労働大臣
舛添 要一 様

社会民主党
党首 福島みずほ

 10月4日、東京都内で出産間近に脳内出血を起こした女性が8病院に受け入れを拒否され、3日後に死亡するという、痛ましい事件が起きた。ここ数年、産 科救急患者のたらい回し問題が繰り返されている。24時間対応が可能な救急医療や周産期医療の整備は数十年も前から要請されていた課題であるにもかかわら ず、今回の事件でも産科医不足や救急搬送受け入れシステムの不備が露呈された。

また、現在、厚生労働省と日本産婦人科学会等は「医師確保が困難な地域における緊急避難的な措置」として、産科医療の集約化・重点化 を推し進めている。しかし、この集約化・重点化は、都道府県において充分検討された計画的なものとはいえない。深刻な医師不足に加え、大学派遣医の引き揚 げや国公立病院の統廃合、診療報酬の引き下げ、自治体の財政難等、いくつもの要因が相乗的に作用し、なし崩し的に進んでいるのが現状である。

いまや全国各地で産科を閉じる病院が相次ぎ、産む場所が地域からなくなっている。産科医療は、崩壊か再生かの瀬戸際である。自治体・ 地域の努力だけで医師不足を補うことには限界がある。国が責任をもって、実態を調査し、産科救急患者のたらい回しを二度とおこさないようにすること、そし て「お産難民」をつくらないよう総合的な施策を早急に講じるときである。

ついては、社会民主党として以下のとおり、申し入れるものである。

1.地域の実情を考慮せず、強引に進められている産科医療の集約化を見直し、「産科空白地域」の拡大を防ぐこと。「身近な地域で安心して産める場所」を国と自治体の責任で確保し、「お産難民」をなくすこと。

2.妊娠・出産・産後・育児を通して、母児に密着したケアを行うことができる助産師の専門性と特性をきちんと評価し、助産師が先頭に立って正常分娩を担えるように「助産制度」をつくりかえること。

3.救急患者のたらい回しをこれ以上起こさないよう、「周産期医療ネットワーク」と「救急搬送受け入れ体制」を早急に整備し、周産期医療の後方支援体制を確立すること。

4.受けた医療・ケアが妊産婦本人に見えるよう、妊娠・分娩を健康保険適用にすること。妊婦検診(14回分)と基本的な分娩費用については、健康保険の自己負担分(3割)を国庫負担とし、本人の負担を無料化すること。

5.民間損害保険を使って、来年1月1日から開始する予定の「産科医療補償制度」は一旦中止し、医療の質を改善するという視点から議論 をやり直すこと。医療事故の真相究明と再発防止のために「医療事故報告システム」「医療事故調査システム」「医療事故無過失補償制度」を早急に確立するこ と。

以上


「身近な地域に安心安全と豊かなお産の場」を確保する総合施策を求める申し入れ社民党の福島みずほ党首、あべともこ政審会長、菅野哲雄自治体委員長は11月7日、上記「『身近な地域に安心安全と豊かなお産の場』を確保する総合施策を求める申し入れ」を、厚生労働省医政局長に対しおこなった。