声明・談話

2008年2月29日

2008年度政府予算案の衆議院通過に当たって(談話)

社会民主党幹事長
重野 安正

  1. 本日の衆議院本会議で、社民党はじめ野党が欠席する中、与党は、2008年度予算案、国税2法案、地方税3法案の可決を強行し た。イージス艦事故を巡る防衛省の隠蔽疑惑、沖縄の少女暴行事件、道路特定財源及び道路中期計画のいい加減さがますますあらわとなり、国会の場での究明が 求められていた。そのうえ後期高齢者医療制度や年金記録問題をはじめとする社会保障のあり方、原油高騰や生活物価上昇への対策、国民生活改善の審議もまだ まだ不十分であった。こうした山積する問題の解明に蓋をしたまま逃げ切ろうとする政府・与党の暴挙に強く抗議する。
  2. 漁場での訓練の実施や、網が切られる問題、「そこのけそこのけ」とばかりに我が物顔で航行する姿勢が問題になっていた矢先、20 年前の「なだしお」号の教訓が生かされず、イージス艦による痛ましい事故が起きた。情報伝達の問題、イージス艦が清徳丸を発見した時間についての発表方 法、海上保安庁に連絡することなく航海長から事情聴取をした事実等を隠蔽しようとしたかのような防衛省の行為等々、イージス艦の衝突と、その後の防衛省の 一連の対応における数々の疑念・疑惑が募っている。装備品の水増し請求、防衛施設庁発注の工事の官製談合、イージス艦の情報流出、守屋前防事務次官等の山 田洋行をめぐる贈収賄、護衛艦しらねの火災等々の解明も不十分である。
  3. 道路特定財源の暫定税率の10年間の延長について、暫定といいながら30年以上も維持し、さらに10年延長しようとすることは不 合理であり、社民党は、廃止の方向で見直すべきとの立場で、当たり前のように財源を確保し、惰性のように使い続ける既得権益構造に切り込んできた。この間 の審議過程でつぎつぎと、道路特定財源の非合理性や道路中期計画のでたらめぶりが明らかになった。保坂議員が明らかにした啓発ミュージカルの上演、道にま つわる世論操作とも受け取れる催し物の経費が特定財源で支出され、しかも随契で行われていた。佐世保における米軍住宅の移転・建設費に特定財源が使われて いたことや、暫定二車線による高コスト構造なども社民党の追及で明らかになった。天下り法人にも多額の特定財源が流れていることも明らかになった。さらに 政府は、今後10年の「道路の中期計画」の59兆円の積算根拠をろくろく説明できないままである。最新の05年交通量調査ではなく、交通量が多かった99 年調査を資料に使っていたことも、納得できる説明はない。65兆円の素案が59兆円になった経緯についても、十分な吟味が行われていない。また、今回の法 案で一般財源化への道を開いたかのように主張しているが、一般財源化額を翌年以降の道路財源に繰り入れる規定を盛り込んでおり、一般財源化の「偽装」にほ かならない。
  4. 地方向けには、「地方の元気再生事業」や「地域力再生機構」が目玉とされているが、効果は不透明である。「ふるさと納税」は規模 も手法も姑息であるし、法人事業税の召し上げは分権への逆行である。地方交付税に、4000億円の地方再生特別枠が設けられるが、三位一体の改革による地 方交付税の5兆円を超える大幅削減が、地方格差の拡大や地方の疲弊をもたらしており、地方交付税の復元・増額こそ必要である。
  5. 賃金増加を伴わないまま、原油高騰はじめ物価上昇が進み、生活の困難をもたらしているからこそ、勤労者の労働・生活条件の再建、 格差是正と国民生活の安全・安心の予算とすることが求められていたはずである。しかし、福田内閣として編成した初めての予算案である2008年度予算案 は、社会保障費の自然増の2200億円の抑制を続ける等、基本的に小泉内閣以来の構造改革路線を踏襲したものとなっており、国民生活の困窮と地方の疲弊に は無為無策を続けている。社民党は、<「地方」、「医療」、「雇用」の再生と、「環境・地球温暖化対策」に大きく舵を切るための予算>とするよう、党独自 の組み替え要求を取りまとめ、その実現を求めてきた。参議院段階でも、引き続き疑惑の徹底追及をするとともに、格差拡大をもたらし、貧困を放置し、雇用の 劣化、農村経済、地方、中小企業の衰退を招いた小泉・安倍・福田政権の経済・財政・社会政策と厳しく対決し、政府・与党を追い込んでいく決意である。

以上