声明・談話

主張(社会新報2007年9月19日号より)


安倍首相辞任
解散総選挙で国民の審判仰ぐべき

安倍首相が12日、突然辞意を表明した。10日の所信表明演説で「国際社会への責任を放棄していいのか」と、テロ特措法延長問題で大見えを切った2日後に 政権を放り投げた。昨年9月の就任早々、戦後レジーム(体制)からの脱却を唱え、憲法を改正すると公言し、そのために自民党総裁を2期務めたいと臆面もな く語った、国民生活と全く乖離(かいり)した感覚を持つ3世議員の末路である。

04年の参院選以降、(1)厚生年金保険料を毎年0・354%ずつ14年間引き上げ(2)国民保険料を毎月 280円ずつ引き上げ(3)年金への課税強化(4)70歳以上医療費の窓口負担増(5)生活保護受給の1人家族への母子加算廃止(6)障がい者の自己負担 増(7)介護保険料の引き上げ―― など、これでもかこれでもかと自公政権は国民に負担増のみを一方的に押し付けてきた。

一方で、政治とカネにまつわる数々の閣僚の不祥事は、8月27日発足の改造内閣でも後を絶たない。自民党 は、今月23日にも後継総裁を決めると言うが、誰に代わっても同じである。日本経団連をはじめ財界から政治献金を受け取り、その見返りに、本来国が担うべ き公的部門を民営化という名で企業に売り渡してきた小泉・安倍政権。

参院選前に噴出したずさんな年金記録管理問題で、国民は自公政権が社会保障に責任を持っていないことを自覚 させられた。改造内閣の桝添厚労相は、社会保険庁の職員による横領事件を利用して「盗人はすべて取り締まる」と年金問題を矮小(わいしょう)化したが、不 払い年金問題での国の責任は、横領事件とは比較にならない。宙に浮いた年金記録5000万件の名寄せと本人通知を1年で実現すると言った安倍首相の参院選 公約は、誰が次期総裁になっても自公政権に引き継がれており、国会での追及は免れない。

安倍首相が辞任の理由にしたテロ特措法は、ガソリン代高騰で国民生活が圧迫されている中、インド洋上に浮か ぶ無料ガソリンスタンドよろしく、多国籍軍に燃料を無償提供するという、まさに国民生活無視の戦争支援法であり、米国に要請されるがまま延長することは絶 対認めるわけにはいかない。

「小泉チルドレン」が小泉前首相の再登板を要請するなど末期的状態を露呈する自民党に、国民はとっくに見切りを付けている。解散総選挙で国民の審判を仰ぐべきだ。