声明・談話

2006年6月14日

医療制度改革関連法案の成立に抗議する(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

 本日、第164回国会の参議院本会議において、「健康保険法等の一部を改正する法律案」及び「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法 等の一部を改正する法律案」が、社民党をはじめ野党の反対にもかかわらず、与党の賛成多数によって可決成立した。国民の生命、生活に直結する重要法案に対 して、十分な審議がなされず、多くの疑問や問題点、国民、患者、医療関係者の不安を残したまま、与党の強引な国会運営で法案が成立したことに、社民党は強 く抗議する。
衆参両院の厚生労働委員会において、社民党は主に以下の点を追及した。今後も、国民の共有財産である国民皆保険制度を守るために全力を挙げる決意である。

一、法案は、過大な予測をもとに医療給付費の削減のみを推し進め、国民、患者、医療現場、地方に責任と負担を押し付けるものである。医療給付費の削 減、混合診療の拡大は、国民の共有財産である国民皆保険制度を縮小し、所得によって受けられる医療の格差を拡大するものである。

二、さらなる医療費抑制政策は、小児救急医療・産科医療の不足、医師の偏在、多発する医療事故、医療従事者の労働条件の悪化と士気の低下など、すでに危機的な状況にある日本の医療を取り返しのつかない事態へと追いやるものである。

三、高齢患者の窓口負担割合の引き上げ、高額療養費支援の縮小、療養病床における食費・居住費の自己負担化など何重もの負担増は、高齢者並びに重症の患者が必要な医療を受けることを困難にし、医療の切り捨てにつながるものである。

四、地域の受け皿が担保されないまま、三十八万床の療養病床を六年間で二十三万床も削減することは、行き場のない医療難民、介護難民を発生させることになる。在宅医療の構築、老人保健施設の拡充など、確実な社会基盤の整備を求める。

五、疑問・懸念が山積する高齢者医療制度は撤回すべきである。75歳以上の高齢者に年金天引きで新たな保険料負担を課し、滞納すれば保険証を取り上 げるという制度は許されない。リスクの高い者を一括りにして、新たな診療報酬体系を設けることは、弱者の医療内容の引き下げにつながる。後期高齢者医療制 度支援金、前期高齢者医療制度納付金、療養病床転換支援金など、給付を伴わない保険料負担を現役世代に強制すべきではない。

六、生活習慣病対策として、健康診断や保健指導を全面的に組み換え、外部委託を可能にし、安易に民間企業へ市場を拡大すべきではない。予防・公衆衛 生を保険財源で行えるようにする点も問題である。厚労省が、生活習慣病対策の診断基準とするメタボリックシンドロームは、欧米の学会で批判され、国内から も異論が出ている。エビデンス(根拠)に基づく健康診断、保健指導でなければ、国民は健康を害し、医療費は逆に増大する。

以上