声明・談話

2006年5月17日

医療制度改革関連法案の強行採決に抗議する(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日、与党は衆議院厚生労働委員会で、政府提出の「健康保険法等の一部を改正する法律案」「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療 法等の一部を改正する法律案」について、強行採決を行った。国民の生命、生活に直結する重要法案を強行採決した与党に対し、満身の怒りを持って抗議する。 採決は無効として委員会に差し戻し、審議を継続すべきである。
  2. 政府案は、公的医療費の抑制のみが目的である。公的医療の範囲の縮小・削減は、国民共有の財産である国民皆保険制度を縮小し、所得 の多寡によって受けられる医療に格差を持ち込むことになる。医療費適正化は避けて通れない重要な課題であるが、最も優先すべきは、国民の立場に立った医療 の中身の改善と医療提供体制の構築、そして国民の信頼を得る医療保険制度の充実である。政府が、これらに対する明確なビジョンも戦略も何ら示さないまま、 国民、患者、医療現場、そして地方に負担と責任を一方的に押し付けることは断じて許されない。
  3. 公的医療費は、この間の数度に渡る患者負担の引き上げ、診療報酬の切り下げなどで、すでにぎりぎりまで抑えられている。さらなる医 療費抑制政策は、医療を必要とする人の受診を抑制し、早期発見・早期治療を阻害する危険な方法であると言わざるを得ない。また、医療現場においては、小児 救急医療・産科医療の危機、医師・看護師等の不足、医療事故の頻発や医療従事者の労働環境の悪化など、すでに窮状にある諸課題を取り返しのつかない事態へ と追いやるものに他ならない。
  4. 高齢者の窓口負担割合の引き上げ、高額療養費支援の縮小、療養病床における食費・居住費の自己負担化、後期高齢者医療制度による新 たな保険料負担、療養病床の削減・廃止など、政府案は、高齢者に多重の負担を押し付けるものである。高齢者の生活は、公的年金額が目減りする一方で、健康 保険料・介護保険料は増加し、さらに定率減税の縮小廃止等による税負担増が重くのしかかっている。総合的な制度設計を欠く社会保障制度の見直しは、国民の 不信を強め、社会保障制度そのものの存続を危うくしかねない。
    また、年齢によって医療保険を分断する高齢者医療制度は、医療保障の分断、世代間の対立を招くものであり導入すべきではない。
  5. 医療制度改革は、国民の命の尊厳のためにこそ行われるべきである。社民党は、特に緊急性を要する地方の医療提供体制の構築、さらに構造的な危機に瀕している国民健康保険制度について国の対策を強く求めるとともに、政府案を廃案へと追い込むべく全力を挙げる。

以上