声明・談話

2004年11月5日

内閣府特命担当大臣(防災)
村田 吉隆 様

社会民主党新潟県中越地震災害及び風水害対策本部長
社会民主党党首
福島 みずほ

台風23号による風水害対策に関する緊急申し入れ

九州から関東にかけて広範囲に記録的な被害をもたらした本年10月の台風23号は、兵庫県に死者25名という痛ましい犠牲をもたらし、家屋等の全 半壊、市街地の浸水、ライフラインの損壊、農作物の被害等大きな爪痕を残した。但馬地方の拠点都市・豊岡市は、全世帯の半数以上が浸水し、市街地には汚泥 やごみが散乱し、都市機能も完全にまひした。出石郡出石町は、一級河川・出石川の左岸堤防決壊により目を覆う惨状がもたらされた。

社会民主党は、台風による災害発生直後に、現地県連合を中心に現地視察や情報収集、国・県・関係市町村に緊急援助要請を行うとともに、11月3日に土井たか子前党首を団長とする豊岡台風災害に関する国会調査団を現地へ派遣し調査を行ったところである。

わが党の調査でも、深刻な被害実態、自然の猛威の恐ろしさが明らかとなっており、現地は、引き続き被災者支援対策、被害復旧・復興、産業経済の回 復、再発防止のための災害復旧事業の早期促進などについて万全の対策が求められる状況にある。兵庫県、豊岡市はじめ関係自治体からの政府に対する要望も 伺ってきた。

現地の一日も早い復旧と被災者の方の生活再建のため、とりわけ次の諸点についての早期実現を申し入れる。

  1. 激甚災害の早期指定
    今回の台風23号による被害を「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づく激甚災害に早期に指定し、同法に基づく特別措置を早期に実施すること。
  2. 補正予算の早期編成
    一連の台風による各地の風水害や新潟県中越地震被害に的確に対処するため、補正予算の早期編成を行い臨時国会中に提出すること。
  3. 災害復旧・災害対策関連事業に要する財源確保等
    [1] 災害復旧事業、災害救助活動等の実施には莫大な費用が見込まれ、被災市町村の財政が著しく圧迫されることから、11月交付予定の普通交付税を繰 り上げ交付するとともに、災害関連の特別な財政需要に対応するため、特別交付税の算定において十分な措置を行い、これを早期に交付すること。
    [2] 災害復旧事業の財源となる地方債の要望額を確保し早期に許可するとともに、災害復旧事業債に対する交付税措置の充実を図ること。
    [3] 河川、道路、都市公園、下水道施設、公営住宅、農地、林野、農業用施設、医療・社会福祉施設、廃棄物処理施設、上水道施設、公立文教施設等の復旧対策に万全を期すこと。
    [4] がれき、ごみ、し尿、泥土の除去、流木・流出土砂、災害廃棄物の収集・処理に万全を期すこと。
    [5] 災害救援ボランティア活動が円滑かつ迅速に行われるよう、スコップ、シャベル、一輪車等の資材の確保や、ボランティア・コーディネーターに要す る経費への財政支援を行うとともに、全国的な基金の創設を検討すること。また、自治体職員による広域的な支援システムの整備を検討すること。
  4. 住宅支援
    [1] 応急仮設住宅、仮住居の設置など被災地の状況に応じた柔軟な対応と支援を講じること。
    [2] 被災者生活再建支援法は浸水による機能損失に対する損傷程度の評価が低いことから、床上浸水被害や小規模災害にも適用するなど、被害認定基準、法適用基準、年収・年齢要件などについて実態にあった十分な対応を行うこと。
    [3] 住宅本体の建築及び補修等に関する経費を支給対象とするなど、被災者生活再建支援法が真に効果的な住宅再建支援制度となるよう抜本的な改正に取り組むこと。
  5. 生活支援
    [1] 生活資金について緊急融資を拡充すること。
    [2] 伝染病の発生を防止するため、病院・保健所等の連携体制を強化するなど、住民の健康維持と衛生管理に努めること。
    [3] 被災者に対する国税・地方税の減免、医療保険や介護保険料等各種社会保険料、利用料、一部負担金の減免などを行うとともに、それらに対する適切な財政支援措置を講じること。
    [4] デイサービス等の在宅福祉サービスについて定員外受け入れ等の弾力的運用を行うなど、被災高齢者の生活再建に対する支援を充実すること。
  6. 地場産業への支援
    [1] 商店街や地場産業等の被災中小業者への経営について的確な支援を行うこと。とりわけ豊岡市や日高町、出石町は、合成皮革製やナイロン製かばんの 国内シェア約8割を占める「かばんの町」であり、水に漬かった製品や機械などの被害額は約50億円に上るとみられている。零細業者の多いかばん製造業の復 旧に向け万全を期すこと。
    [2] 農業近代化資金等の既貸付金の償還猶予、災害対策無利子資金の融資対象者の拡充等被災農業者に対する経営支援を拡充すること。
    [3] 被災企業の休業などにより大量の離職者が発生することが危惧されることから、被災地の企業や労働者、離職者に対する万全な緊急雇用対策を行うこと。
  7. 原因究明と再発防止
    [1] 今回の破堤・越水、浸水について、原因の究明、決壊箇所の補強、情報伝達体制のあり方、再発防止の方策を至急確立すること。
    [2] 出石町鳥居地区を襲った出石川破堤の原因は、高さが低い鳥居橋の構造によって、橋脚に流木や粗大ごみが多量に引っかかり川をせき止め水量を増したところにあることは明らかであり、目に余る災害の発生を防止するため、緊急改修工事に着手すること。