声明・談話

2004年1月29日

外為法改正案に対する党の態度について

社会民主党政策審議会

  1. 北朝鮮は、2002年10月、核開発をしている事実を明らかにした。これは94年の米朝枠組合意違反、NPT(核不拡散条約)違 反、92年朝鮮半島非核化共同宣言違反、日朝平壌宣言違反である。また拉致は、国家犯罪であり、主権侵害であり、人権侵害である。しかし真相は今もって解 明されていない。拉致をされた人々の確認や亡くなられたと伝えられている人々のあらゆる情報が北朝鮮側から開示されるとともに、拉致全体の真相究明が進め られなければならない。とりわけ核問題に対しては、社民党は、「日本は唯一の被爆国であり、他の国とは違い、特に敏感でなければならない。国際社会がどう あれ、日本だけでも可能な対応をとるべきである」という基本姿勢で臨んできた。
  2. 社民党は上記の核開発、拉致事件の重要性に鑑み、北朝鮮の対応になんら誠意が見られない場合には、改正案を有しているという姿勢を北朝鮮に示すことも必要であると判断し、改正案に賛成することとした。
  3. 法案の賛否を検討するにあたって、社民党は政審全体会議において提案者から(1)あくまでも外交が中心であり改正案は 外交カードの一つであること、(2)発動は慎重でなければならないこと、(3)万が一発動する場合もすべてを一括して発動するのではなく、個別に発動する こと、発動のたびに国会承認を受けることなどの説明を受けた。
  4. 社民党は提案者に、北朝鮮との懸案は外交努力で解決するのが筋であるという党の考えを伝えるとともに、発動する場合にはその理由を明示するよう明記することを要求し、財務金融委員会における採決時に附帯決議に明記された。
  5. 一方、党内で賛否を検討した際、次のような懸念も指摘された。(1)経済制裁に訴えることは望ましくない。(2)送金 停止などの経済制裁措置は、国際社会が共同して行なうもので、一国で行なっても効果はない。(3)経済制裁措置を講じる場合は、国会の事前承認を求めるべ きだ。(4)改正案が北朝鮮の反発を招き、日朝間の懸案の問題解決が遠のく可能性がある。(5)北朝鮮の「ミサイル実験の凍結」のブレーキを外すことにも なりかねない。(6)経済制裁の発動が弱い立場にある在日朝鮮人の権利と生活に大きな影響を与える可能性がある。とりわけ帰還事業で北朝鮮に渡った人が、 生活苦ゆえに日本の親戚に送金を依頼しているという現状、また北朝鮮に居住している親戚への送金や、日用品・薬などの物資の送付が困難になる可能性がある ことに留意する必要があるのではないか--などである。
  6. 核開発問題、拉致問題が対話によって平和的に解決されるべきという党の主張にはまったく変わりはない。経済制裁措置の 発動が、北朝鮮や在日の立場の弱い人々に影響が及ぶような場合には、国会承認の場で反対を表明する。また船舶入港制限のような制裁関連法案が準備された際 には、改めて対応を協議する。