声明・談話

2001年3月27日

内閣官房長官
福田 康夫 様

社会民主党 党首
土井たか子

公正な教科書の採択等に関する申し入れ

教科書は、子どもたちの正確な情報認識と判断力を養うための重要な糧です。
この基本認識に立ち、社民党は、(一)(1)広く受け入れられている学説、研究成果に基づく(2)客観的で公正かつ適切な教育的配慮を施す(3)近隣諸 国との友好関係保持に配慮する、などとした82年の歴史教科書記述に関する中曽根首相答弁。(二)子ども達に適した教科書を選ぶための調査研究に当たって は、日々子どもと深くかかわっている「教員の意向が反映される」ことを求めた閣議決定(97年3月)など--が尊重、考慮されるべきだと考えます。
これらを踏まえ、次の申し入れを行います。

  1.  教科書が検定基準基づいて認可される以上、問題とされている中学校歴史教科書申請本を合格とすることは、政府が自ら進んでその歴史観・認識 等を共有するに他ならない。82年の「国際理解と国際協調の見地から必要な派慮」を求めた近隣諸国条項および「植民地支配と侵略」に対する深い反省と謝罪 を表明した95年の村山総理談話に背くことは明らかだ。
    教育改革を始め小渕前総理の路線継承を掲げる森総理だからこそ、例えば、98年の「日韓首脳共同宣言」に盛られた「両国民、特に若い世代が歴史への認識 を深めることが重要」であり、「そのために多くの関心と努力が払われる必要がある」とした小渕前総理の決意を、最優先にされるべき遺訓として受け止める必 要がある。
    同時に、これらは対外的な公約であるとともに、国民に対する約束でもあるということを忘れてはならない。
    歴史・公民教科書の2002年度版検定申請図書については、過去の侵略行為等に対する正確な記述」に務めた97年度用の歴史・公民教科書の内容を維持すること。
  2.  政府は、97年3月には教科書採択の調査研究に当たり「より多くの教員の意向が反映される」ことの必要性を閣議決定している。
    この閣議決定を遵守する立場から、教科書採択の調査研究に当たっては、より多くの教員の意向が反映されるための条件及び環境整備等に取り組むこと。さらには、学校毎の採択を展望した上で、住民参加の制度的保障などに関する検討を早急に行うこと。
  3.  教科書のあり方は未来の世代に大きな影響を与えるものである。それ故に、国民的な合意形成等に対する政府の最大限の努力等が要請されている。
    この観点に立ち、申請本の内容等も含め、教科書検定にかかわる情報の全面開示を進めること(一定期間経過後であってもよい)。また、教科用図書選定委員会の議事録の公開なども積極的に行われるための適切な指導を行うこと。