声明・談話

2000年10月11日

大島 理森 様

社会民主党
党首 土井 たか子

社会民主党教育文化科学部会
部会長  山本 正和

新中学社会科教科書の「従軍慰安婦」などの
記述に関わる大幅削除問題に対する申し入れ

 歴史教育は、過去を学び、そこから現在と未来のための教訓を引き出すことにあります。そのためには、子どもたちの正確な歴史認識と判断力を養うことが不可欠です。

敗戦後、私たちは平和国家として生きることを世界に誓い、過去の植民地支配や侵略戦争を反省し、国際社会と共に歩むことを約束しました。

このことは、90年代半ばになって、教科書に、韓国併合・南京大虐殺・従軍慰安婦等に関する記述として結実しました。

しかし、2002年から使われる、新しい中学校社会科教科書の検定申請図書から、「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」等の記述が大幅に削除され、歴史認識に多くの問題のある教科書も検定を通る心配があると報道されています。

21世紀にも、日本が世界に誇れる平和国家としてあり続けるために、最低限、1997年度用の歴史教科書・公民教科書の内容等が維持されることが重要です。また、アジア地域の平和・友好を推進するためにも、歴史の改ざんは許されません。

これらを踏まえ、次の申し入れをします。

  1.  「従軍慰安婦」等に関わる記述が、大幅に削除される事態は許されない。ここに至る経緯を全面開示されたい。
  2.  これらの見直しが、出版社の自主的判断(自主規制)で行われたとしても、それは1994年の「村山談話」で 明らかにされた過去の侵略行為等に対する反省と謝罪に背くものである。文部省には、このことを当該出版社に認識させる責務がある。また、野中官房長官 (1999年当時)は、委員会審議において、中国や韓国での歴史教育を評価し、そうしないと「本当にアジアのパートナーとしてやっていけるかどうかに大き な危惧を感じる」と答弁されている。
    文部省は、野中官房長官答弁の実現にこそ取り組まねばならない。そのためにも、出版各社に適切な対応を求められたい。
  3.  多くの住民を犠牲にした、国内における唯一の地上戦となった沖縄戦に関しては、基地問題をはじめ、敗戦の負の遺産に、今なお苦しむ沖縄県 民の思いなどを、的確に反映させなければならない。この視点から、日本軍による県民加害の実態を含め、より正確な内容となるよう求めること。
    また「非核三原則」や「核廃絶」は、広島・長崎の原爆の惨禍を二度と繰り返さないという決意から生まれたものであり、わが国の国是である。その姿勢をいっそう明確にすること。
  4.  教科書採択にあたっては「より多くの教員の意向が反映される」という閣議決定が順守されるための、必要な指導を都道府県に行うこと。

以上