声明・談話

2000.7.10

預金保険機構の「そごう債権放棄問題」に対する見解

社会民主党財政金融部会

 預金保険機構(以下、預保)が了承したそごう向け債権970億円の債権放棄については、以下の問題点が顕在化しており、反対せざるをえない。

  1.  預保は、970億円の債権放棄を認めた最大の理由として、新生銀行(旧長銀の譲渡先)から買い取った残りの債権1006億円に関し、その 回収見込額の増大が期待できることをあげている。つまりは、債権放棄を拒み、会社更生法などの法的処理に移行した場合よりは、国民負担が最小限にとどまる という「費用最小原則」を追求した結果だと、説明している。
    ただし、この前提は、そごうの「再建計画」が順調に進まない限りは成り立たない。同「再建計画」には、主要取引銀行が応じた6300億円(預保の970 億円を含む)の債権放棄を行ってなお、グループの売上高に匹敵する約1兆円の有利子負債などの難題が待ちかまえている。この現実を直視すれば、「再建計 画」の今後は極めて厳しいものにならざるをえないことは、衆目の一致するところである。
    預保の放棄理由は、この一事をもっても、説得性に極めて欠けるものと批判せざるをえない。また、なぜ、今回の処理方法が「費用最小原則」となりうるのか、その試算の妥当性も含め、十分な説明がなかったことも指摘しておきたい。
  2. 金融再生法や早期健全化法による公的資金の注入は、金融機関が信用創造と決済機能を備えているという「公的役割(性格)」に着目して、はじめて可能となりうる”ぎりぎり”の選択ともいえた。
    ここからも、一私企業にすぎないそごうに公的資金を使うことに対する国民の拒否反応は、当然でもある。
    また、中小企業の置かれている現状からも、大企業だけが救済されるという悪例を設けることは、単なるモラルハザード以上の傷跡を国民の間に残すことになると憂えざるをえない。
  3. 水島前会長をはじめとする経営陣の私財提供等や株主責任のあり方など、債権放棄の決定前に明確にすべきことが、後回しにされたことは到底許されない。順逆をわきまえない決定が国民の理解をえられるはずもないことを、改めて強調しておきたい。
    さらには、そごうが放漫経営に走ることになった”影(真)の主人公”ともいえる日本興業銀行の責任の所存や負担のあり方(現在の決定されている興銀分だけの債権放棄や預保への優先返済権の譲渡などで済むとは思われない)についても、引き続き厳格に問うていく。