声明・談話

2000年4月27日

JCO社員・篠原理人さんの逝去を悼む(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 渕上 貞雄

 茨城県東海村のウラン加工会社「JCO」で起きた臨界事故で被ばくした同社社員・篠原理人さんが、4月27日午前7時過ぎ、入院先の東京大学付属 病院(東京都文京区)で亡くなった。社会民主党を代表して、篠原さんのご冥福をお祈りすると同時に、ご家族に対して心から哀悼の意を捧げるものである。

篠原さんは昨年9月30日、JCO東海事業所内でウラン溶液をバケツから沈殿槽へ移す作業中に、2人の同僚とともに大量の放射線を浴びた。このと き、16~20シーベルトを被ばくしたと推定される大内久さん(当時35歳)は昨年12月21日に激しい放射線障害との闘いの末、亡くなっている。篠原さ んの被ばくは6~10シーベルト前後と推定され、さい帯血移植などの治療によって一次回復の兆しを見せていたが、結局、放射線の力には勝てなかった。

私たちは「ヒロシマ・ナガサキ」と、ビキニ環礁で被ばくした「第五福竜丸」の悲惨な体験と犠牲を経て、核の恐ろしさについて十分に理解してきたは ずであった。しかし、今回の篠原さんの7ヶ月に及ぶ凄まじい放射線との闘いとご家族のご苦労を思うとき、体の奥深く細胞の隅々まで破壊する放射線の恐ろし さに、あらためて身震いせざるを得ない。そして、被ばくによる新たな死者を生み出してしまったことが、本当に残念でならない。

今回の篠原さんや大内さんの死と、事故による多くの被ばく者の発生は、明らかに日本の原子力行政の責任であり、日本政府の責任である。科学技術庁 は26日、事故の程度を国際評価尺度の「レベル4」と確定し国際原子力機関に通知したが、この期に至っても事故の影響を過小評価しようとする政府の姿勢に 対して、強い怒りを禁じ得ない。

今回の事故で核分裂を起こしたウランは広島の原子爆弾でつかわれたもののわずが100万分の1ほどと考えられている。私たちは、このような少量で、これだけの悲劇を生む「核」の桁違いの暴力性と破壊性への怖れを失ってはならない。

社会民主党は、これまで「核と人類が共存できない」という立場から「ノーモア・ヒバクシャ」を繰り返し訴え、核エネルギーの利用に強く反対してき た。篠原理人さんの死を受けて、原子力政策の根本的見直しを実現し、新たなヒバクシャを生み出さない、核のない21世紀を実現していく決意をあらためて表 明するものである。

篠原さんと大内さんの犠牲を、決して無駄にしてはならない。

以上