声明・談話

1999年2月12日

内閣総理大臣
 小渕恵三 殿

平成11年度予算に対する組替え要求

  社会民主党
党首 土弁たか子

 停滞著しい景気の現状と厳しさを加える国民生活を打開するためには、従来型の大型プロジェクト方式による公共事業中心の経済対策ではなく、国民の先行き・不安を解消するための対策こそが実施されなければならない。

しかし、政府が編成した平成11年度予算は相変わらず公共事業偏重であり、既存の利益誘導型予算の域を脱していない。使途を制限しない公共事業予 備費5千億円の予算計上なども、単に規模を膨らませればよいという発想でしかなく、景気対策としての目標をも見失ったものでる。

今回の予算案では、「年金・介護・医療への不安」「雇用不安」「子育てに対する不安」など、国民の現状や先行きに対する不安に、政府がどれだけ真 剣に応えるのかも問われていた。たしかに社会保障費は全体としては対前年度比で伸びが確保されているが、政府案に積極的姿勢は見られない。とくに年金は賃 金スライド制が凍結されただけでなく、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げも見送られた。わが党が提案し実施されてきた臨時福祉特別給付金の支 給も打ち切られている。高齢者層に対する温かな配慮が欠けているばかりでなく、高齢社会に対応した構造改革が欠落した予算であるといわざるをえない。また 少子化対策では、これから最も重視しなけれぱならない子育てに対する支援等もこれまでの延長線上に過ぎず、少子社会への展望を欠いたものといわざるをえな い。

こうした点を踏まえるならば、政府予算案を原案のまま承認することは到底できない。以下の重点事項に基づいて抜本的組み替えを行うよう強く求めるものである。

  記  1.定額方式による特別減税の継続拡充(2兆円以上)と、臨時福祉特別給付金の継続拡充(5千億円)
臨時福祉給付金=1人3万円(337万人1011億円)
臨時介護福祉金=1人5万円(40万人200憶円)

2.飲食料品にかかる消費税額戻し金制度の創設(1兆5千億円)
年間収入1千万円までの世帯に最高5万円を給付

3.雇用対策の充実
1)雇用不安の発生を事前に予防する施策として「雇用調整助成金制度」の助成期間を抜本拡充すること。(現行は再指定を含めて最大200日→時限的に2指定期間のフル適用とし、教育訓練と体業を合わせて最大400日の支援ヘ)
2)失業給付と「結合した形」での能カ開発プログラム・体制等の抜本的拡充策及び訓練延長給付(最長2年)の積極適用に取り組むこと。その上で、会社都 合の失業者に対する一般的な失業給付についても支給期間のかさ上げを行うこと(個別廷長給付現行最高90日に係る対象者の弾カ運用)。
3)深刻の度を増す末就職新卒者の内定状況を踏まえ、実効性ある新卒者対策を図るために、有給のインターンシップ制度を創設すること
4)失業者の積極的な採用企業に対する優遇税制の創設を行うこと。
5)倒産など雇用の激変によって生じる労働者の生活不安に的確に対処するため、内職等の従事者も含めた未払賃金の立替払いの仕組みについて抜本拡充を図ること(「見舞金制度の創設」なども)。
6)公的関与による雇用創出策の一環として、ホームヘルパーの百万人雇用創出や30人学級の早期実現(当面は25万人の雇用創出を図りつつ、中期的には45万人の雇用創出を目指す)などを喫緊の課題として位置付けること。

4.新児童手当の創設(3兆円)
児童手当=支給対象:義務教育までの児童(15歳以下2088万人)、収入制限:世帯収入1千万円以下(全世帯の約8割)、支給額:第1子1万円/第2子2万円第3子以降3万円

5.基礎年金への国庫負担率引き上げ(2兆3千億円)と年金保険料凍結
基礎年金国庫負担率を3分の1から2分の1へ引き上げ、保険料は凍結すること。

6.出産費用の公的保障
出産育児一時金(現在1子につき一律30万円)の拡充。出産費用を公的 に保障する。

7.無駄な公共事業の削減、生活関連公共事業への重点配分
使途を制限しない公共事業予備費5千億円を削除するなど、無駄な公共事業を大胆に削減すること。環境、福祉、情報、住宅関連公共、介護保険施行に向けた緊急基盤整備など国民生活に直結する公共事業に重点を移すこと。

8.ダイオキシン・環境ホルモンなど有害化学物質対策費の抜本拡充 発生源対策の抜本的拡充
汚染実態の正確な把握と人体等への影響調査費の一層の拡充。農作物等の被害への生産者補償。

9.BMDシステム(弾道ミサイル日米共同防衛技術研究費)、情報収集衛星関連予算は削減する(▲9億6千万円▲112億5千万円)
弾道ミサイル防衛に関する日米共同技術研究費の新規計上は、将来の開発・配備に道を開く可能性がある。情報収集衛星関係費も用途等は疑問。これらの経費は後年にわたる新たな財攻負担ともなり削減すべきである。

10.ODA(政府開発援助)の適正化