声明・談話

児童福祉法 50年目の改正

保育への公的責任明確に 多様化したニーズ反映を

 


児童福祉法制定から50年、この節目に当たり同法の改正案が国会に上程さ れ、審議に入った。それに先立ち、社民党は与党内に「児童福祉法改正に関 するプロジェクトチーム」を設立させ、「保育措置制度の廃止」「保育料金 の均一化」など懸念される問題を議論し、与党でも確認事項を交わした。ま た、今後も「与党少子化問題プロジェクトチーム」で議論を継続させていく ことを確認した。法改正の問題点をまとめてみる。

 

 


「戦後間もなく法が制定された時点と現在では子どもの状況がまったく違う。八 五年に〝子どもは親の保護の対象ではなく、権利の主体である〟とする「子どもの 権利条約」を日本は批准した。ところが、今回の改正には、その理念が十分に反映 されていない」

与党プロジェクトのなかで、清水議員は抜本的な法改正を求めてきた。

しかし、厚生省が出してきた改正案は保育所制度の見直しに重点がおかれてい た。市町村が「保育に欠ける子」を保育園に措置する(入れる)いまの入所方式 を、保護者が保育所を選択し市町村に申し込む方式とする。保護者の負担能力に応 じて異なる保育料を、子どもの年齢によって均一料金にする。この二つが大きな柱 だ。

「親の就労形態は多様化し、延長保育、一時保育、夜間保育など多様な要求が高 まっている。それに応じて選択の幅はもっと広げられるべきだ。しかし、現実には 年齢が低くなるほど入所待ちの子どもが大勢いる。保育の選択肢も増えていない。 保育環境は未だ選択できる状況にない」と清水議員はいう。

厚生省は財政削減の面から、同様の保育所制度の見直しを何度か出してきた経緯 がある。措置制度をなくすことで公的責任はどうなるのか、競争原理の導入で保育 の質や環境が低下するのでは、障害児など手のかかる子どもが保育園から排除され ないか---不安が残る。

保育料の均一化についても、現在、自治体によっては多い所は二十数段階の料金 区分を設けている。厚生省は平成十年度から、現行の十段階から七段階に簡素化す るというが、保護者の負担増になりかねない。

保育所の運営費は、保護者から五〇%を保育料として徴集し、残りを国が二分の 一、都道府県と市町村が四分の一ずつ負担している。福祉施設で利用者の負担率が 最も高い。

与党三党は、平成十年予算編成において「保育料について、これまでの経過を踏 まえ、現行の水準より後退しないよう配慮する。また、低年齢児および中間所得層 に十分に配慮する」ことを合意。また、自治体が進めている公費による延長保育拡 充の芽をつまぬよう配慮することも確認した。

三月二十一日、参議院本会議で三重野議員は、子どもに関する支出について「行 政改革、財政改革の一環として統廃合や財政支出の一律削減というような物差しで あってはならない」と発言。橋本総理は「保育などの子育て支援について引き続 き、社会全体で制度と費用負担の両面から支援していきたい」と答え、与党合意事 項を尊重していく旨を表明した。

一方、今回の改正案は、保護者の申請によって、市町村が「保育に欠ける」と認 めた場合、保育しなければならない、と〝保護者の選択権〟を保障している。学童 保育の法制化も評価できる点だ。

三重野議員は本会議で「保育に欠ける子」から「保育を必要とする子」に改める べきだと提起したが、保護者の選択権を保障するためには当然の要求である。

「とりあえず三党合意で、当面の不安に歯止めをかけた。次は〝保護者の選択権 〟を保障するために、緊急保育対策五カ年計画(エンゼルプラン)とともに財政的 基盤を求めていく。与党が二一世紀に向けて、子どもの将来に責任をもつためにプ ロジェクトの継続を要求した。国会で充分な審議を図っていく」と清水議員。

親のニーズに沿った保育形態、家庭責任に配慮した職場環境、何より「子どもの 最善の利益」。その実現のために幅広い論議が必要だ。