竹下亘自民党総務会長の発言について(談話)

声明・談話

2017年11月24日

竹下亘自民党総務会長の発言について(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

1.自民党の竹下亘総務会長は昨日、岐阜市内で開かれた党支部パーティーの講演で、国賓を迎えて天皇、皇后両陛下が開催する宮中晩餐会に関し、「フランスのオランド大統領が来日したときに、同行した女性は、奥さんではなく、いわゆるパートナーだった。そのときに宮内庁は苦慮した」と指摘したうえで、「問題は、ここからだ。もし、パートナーが同性の場合は、どう対応するのか。これは必ず近い将来、突きつけられる課題ではないか。私は反対だ。日本の伝統には合わない」等と語った。事実婚やLGBTに対する人権意識が欠如した差別意識丸出しのあきれ果てた無責任な発言であり、社民党として看過し得ないものであり強く抗議する。竹下氏に対し、発言の撤回と関係者への謝罪を求める。

2.自民党は先の総選挙で、「性的指向・性自認に関する理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す。多様性を受け入れる社会の実現を図る」と公約している。これには竹下氏も総務会長として決定に関わっている。しかし今回の発言からすると、選挙の票目当てのリップサービスに過ぎなかったのかとの疑問を持たざるを得ない。自民党が2016年5月にまとめた「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」では、「一般市民の理解が進んでおらず無知や誤解があり、それに基づく差別や偏見が存在しているためにその解消がまず求められる」としているが、その前に自民党幹部の無知や誤解、それに基づく差別や偏見の解消から進めるべきではないか。

3.竹下氏は、同性婚は日本の伝統に合わないと言うが、竹下氏が言及する伝統とは何かがわからない。竹下氏の発言は、「わが国においては、中世より、性的指向・性自認の多様なあり方について必ずしも厳格ではなく、むしろ寛容であったと言われている」、「古来、わが国で性的指向・性自認の多様なあり方が受容されてきた」、「同性愛がタブー視され、違法とされた時期もあったのは、明治維新以降、西洋化の流れの中で」(「わが党の基本的な考え方」)との認識に立っている自民党の見解にも反している。

4.「性的指向・性自認に関する海外における動向について情報収集を行うとともに、国際的な場において日本の状況について適切な情報発信を行うこと」(「わが党の基本的な考え方」)というように、LGBTの人権保障は、世界的な流れでもある。「国賓」であれば招かれるのは「お客様」であり、相手国を尊重すべきだ。「お客様」を不快にさせて「おもてなし」というのは片腹痛い。相手の国の尊厳や伝統を踏みにじることにもつながりかねない。しかも、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるが、五輪憲章には性的指向による差別禁止が明記されている。五輪憲章に反する竹下氏の発言は、政府・与党が進めているオリンピック・パラリンピックを否定することになる。

5.「誰もが多様な性の一つ」であり、一人一人を尊重し、自分らしく暮らせる社会する社会を目指すべきである。すでに、超党派のLGBT(性的少数者)に関する課題を考える議員連盟が結成され、性的指向や性自認による差別を解消するための法律の制定に向けた議論を進めている。「性的指向・性自認について悩みを抱える当事者の方が自分らしい生き方を貫ける社会を実現するための必要な措置を検討する」、「性的指向・性自認に関する理解促進や当事者等の不当な取り扱いの防止について一層の施策の深化・強化の必要性について常に検討を続け、必要と認められるものから直ちに実施する」(「わが党の基本的な考え方」)というのであれば、自民党としてこの問題にしっかり向き合い、LGBTに関する課題全般に人権課題として積極的に取り組むよう求める。

以上