
▼第1回:食料自給政策の重要度増す-コメ、小麦に異変の秋-
▼第2回:住宅着工急減は国土交通省の責任
▼第3回:不気味なインフレ-忍び寄る景気失速-
▼第4回:異例の混乱吸収策-米国の共同基金設立-
▼第5回:司法試験合格3000人計画
▼第6回:板ばさみの金融政策-サブプライムでインフレ懸念-
▼第7回:政府見通し達成困難-7〜9月期のGDP-
▼第8回:ドル安と米国離れ-ブッシュ政権の歴史的大失策-
(参考)
住宅着工急減は国土交通省の責任
-原因は腐敗官僚の天下り-
おかしな現象が表面化している。
原因は建設官僚の腐敗にあるのだが、景気に与える影響も深刻だ。
8月の住宅着工戸数が前年同月比で43%も急減した。住宅だけではない。産業界や公共の建設投資もである。原因は需要が落ち込んだのではない。姉歯耐震偽装事件の影響で6月21日から建築基準法が改正施行され、建築確認の審査が厳格化され、建築許可が大幅に遅れているためだ。
建設業界は悲鳴を上げ、産業界も建設計画が狂ってしまうと頭を抱えている。国土交通省以外の各官庁も当惑している。この分では景気も失速しかねない。
事態を深刻に受け止めている日本建築士事務所協会は緊急措置として審査の厳格化を一時的に緩和するよう要望したが、国土交通省は取り合わない。ずさん審査に逆戻りと非難されるのが怖いのだ。ところが、関係者の間では、この審査大渋滞は当面収まらないと悲観的。理由は明白。審査機関の審査能力が決定的に低いのである。
なぜそんなことになったのかと言えば、建築確認の審査はもともと地方自治体が実質的にチェックなし状態だった。そして審査機関を民営化した際には、大量の元建設官僚を天下りさせ、審査機関を能力のない元官僚の幹部、職員であふれさせた。審査機関の中には全職員20人で、天下りが15人、審査能力のある建築士は2人というひどい例もあった。
この結果、建築確認の審査は事実上、ノーチェックで審査していた。このずさんさに目を付けたのが姉歯建築士である。耐震偽装事件は起こるべくして発生した事件。姉歯は建築審査体制の腐敗構造に「造反」したにすぎなかった。
ところが姉歯事件は個人の犯罪ということで処理され、再発防止のために法改正が施行された。結果はすでに述べた通り、建築審査の大渋滞である。この影響で住宅着工も建物の設備投資も急ブレーキ。
問題は審査能力もない官僚を天下りさせ、ずさんな建築確認審査体制を敷いていながら、耐震偽装事件が起きても原因究明を「偽装」して天下り体制を維持している国土交通省の体質にある。まさに腐敗官僚がこの国の経済をむしばんでいる構図の典型例だ。
(社会新報2007年10月10日号より)
■社民党の構造計算書偽装問題への対応(社民党2007選挙政策より)
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1. 構造的問題に踏み込んだ対策が必要
耐震強度偽装事件は、住宅そのものの安全性に対する信頼を崩すものとなりました。これは単なる建築士個人や個別業者の問題ではなく、激しい住宅販売合戦と安全性よりも安さや効率性ばかりが追求された建設業界の異常なまでのコスト削減競争、手抜き工事等の欠陥住宅を生み出す元請−下請−孫請という重層的多重下請・ピンハネ構造、「設計」、「施工」、「監理」の「三権分立」の崩壊、ずさんな建築確認・検査の実態といった構造的な問題にもしっかりと踏み込んだ抜本的な対策が必要です。そしてなによりも、小泉政権からしゃかりきに進めてきた、規制緩和・民間開放の流れ自体が、私たちの生活の根本を掘り崩すものです。
2. 被害住民の立場に立った救済策
政府は、昨年末に「構造計算書問題への当面の対応」をまとめましたが、国のスキームに即した建て替えは一件もなく、欠陥住宅の住民は今も困っています。融資した金融機関の責任追及とともに、「二重ローン」の負担軽減策及びスキームの見直しを含めた国の積極的な対応を求めていきます。担保価値を見誤って融資した物件に対する住宅ローン金利の恒久免除、利子補給の支給条件の緩和、金利減免幅の拡大、資金調達が難しい被害者住民への公的無利子融資の実施、住宅再取得時の不動産取得税・登録免許税の減税、住宅ローン減税期間の繰り延べなどの対策を講じます。
3.再発防止策
欠陥住宅の再発を許さないという立場から、罰則の一層の強化や中間検査の義務的実施、建築確認審査事務のあり方の改革をはじめとする抜本的な対策強化を要求します。また、住宅保障保険制度の創設を検討します。これまでの建築行政について徹底的に検証し、建築確認審査事務のシステムの抜本的な見直し、自治体の建築主事の充実強化、適正マンパワーの確保、一級建築士の専門化(意匠、構造、設備)及び地位向上と責任の明確
化、インスペクター(住宅検査官)制度の導入を検討します。
4.被害者救済代行制度の検討
国や自治体が問題業者の代わりに補償を立て替えるような犯罪被害者救済代行制度を検討します。
■社民党の住宅政策 (社民党2007選挙政策より)
〜住宅こそ生活の福祉の基盤〜
安心・安全・ゆとりの「住宅先進国・日本」を目指して
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これまで日本の住宅政策は、「公共事業」としての側面ばかりが強調され、福祉という視点での取り組み遅れています。若者、ひとり親家庭、DVの被害者、ホームレスなどが自立へ向かうときに、まず安心して住むことのできる場所が確保できれば、次のステップを踏める可能性が非常に高くなります。
また、子どもを育てる世代、バリヤフリーの住宅を望む高齢者世代など、人生の節目に合わせた住み替えが、もっと柔軟に行うことができれば、生活の質は高まるはずです。住宅こそ生活の基礎です。社民党は、若者・子育て支援、高齢社会、災害などに備える社会基盤として住宅政策を充実させます。
1.政府の進める住宅政策の責任放棄をただす
小泉政権は、住宅都市整備公団や住宅金融公庫の民営化を行い、住宅政策の市場化を進めてきました。憲法25条の生存権に立脚し、住宅についての居住者の権利を保障するものになるようにする立場から住宅政策を監視します。
2. 住宅基本法の制定
164国会では、「新しい住宅政策の憲法」ともいうべき「住生活基本法案」が成立しました。しかし単に理念をうたっただけで居住の権利を保障するものとはなっていません。むしろ経済界の提言などが背景にあり、住宅政策を市場原理に委ね、自助努力任せにする方向性がにじみでるものとなっており、目的に「国民経済の健全な発展に寄与」が加わり、また、施策の推進の基本に「民間事業者の能力の活用及び既存の住宅の有効利用」が盛りこまれるなど、デベロッパーやハウスメーカーの要望である、「民」が主体の住宅市場の開拓、住宅ストックの流動性向上、住宅産業への規制緩和に重点が置かれているというものです。
高家賃や重い住宅ローン負担の軽減、公共住宅の充実、高齢者や障害者に対する居住差別の是正、住民参加の街づくり・居住支援といったことに対する答えを出すものでもありません。
社民党は 安心・安全・ゆとりの「住宅先進国・日本」を目指す立場で、住生活の向上と居住保障という「居住の権利」を保障する「住宅基本法」(※1)の制定を目指します。
(※1)
1) 国民の住宅についての権利と国・自治体の住宅供給義務
2) 憲法25条に基づく住環境・居住水準の保障
3) 民間賃貸住宅希望者への家賃補助
4) 住宅建設・購入等に対する長期・低利融資と住宅減税
5) 民間借家の居住水準向上のための支援策
6) 公共賃貸住宅の建設・供給義務
7) 住宅関連公共施設の整備への支援
8) 住宅取引の公正確保
9) 高齢化・国際化等への配慮等
人間らしく暮らしていけるためにふさわしい住居の最低限の基準を定めます。
3.公営住宅はセーフティーネット
低家賃で高品質の公共賃貸住宅の供給は必要です。公営住宅を低所得者、中堅所得者、高齢者等に対する住宅のセーフティネットとして適切に機能しうるよう見直します。公営住宅を団地居住者にとってのみならず、オープンスペースや緑地、子どもの遊び場、地域の防災拠点など地域社会の貴重な環境資源としても活用します。
4.バリアフリー住宅の推進で、高齢者、療養者の在宅生活を可能に
安価な家賃で提供できるバリアフリー型の高齢者、療養者向け住宅を大幅に増設します。バリアフリー住宅への増改築にかかわる税額控除の導入を検討します。
5.安心して住み続けられるように
高齢者が安心して住み続けられる家賃への見直しを行うとともに、若者も住める家賃政策へ転換します。民間借家についても多様な家賃補助制度を導入し入居者の負担を軽減するように資します。また、高齢者や単身者、障がい者、外国人等に対する入居差別が相次いでいます。民間賃貸住宅の入居差別の是正・救済を行います。
6. マンション対策の充実
建て替えに関する相談窓口の設置、管理組合の長期修繕計画の作成の援助、分譲マンションの実態調査、建物の維持・更新への適切な援助等を行います。マンションの大規模修繕や建替えに参加できない高齢者等に対する資金援助、代替住宅のあっせんを含め居住の安定の確保のための万全の対策を講じます。
7. 住宅取得の軽減
新しい住宅ローンである「ノンリコースローン」の導入を促進します。住宅取得についての消費税を免税にします。
8. 住宅扶助制度を検討
住宅費に関する費用について、生活保護から独立させ、独自の支給基準をつくり、幅広い活用を図ります。
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