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福島みずほ党首・社会民主党宣言(案)に関する記者会見(2月2日)要旨

 本日の常任幹事会で、第10回党大会で採択に付す「社会民主党宣言」(案)を了承いたしました。自衛隊については「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指します」という記述にしました。

 村山内閣が誕生した1994年、村山首相が「自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は、憲法の認めるものであると認識する」と答弁し、これを受けた形で開かれた社会党大会(94年9月)で「現在の自衛隊は憲法の枠内にある」という立場を決定しました。

 しかし、その後、事態は非常に変わりました。その自衛隊の経過を見れば、日米新ガイドラインの締結に伴う周辺事態法の成立、有事法制の整備、海上自衛艦のインド洋派遣、そして自衛隊のイラク派遣と多国籍軍参加など、自衛隊の現状は「自衛のための必要最小限度」を大きく踏み越えており、これを憲法の枠内というわけにはいきません。

 この認識については、04年4月に開かれた前回党大会で又市幹事長が答弁で示していますので、今回、新たにとった立場ということではありません。ただし、党内の公式文書に盛り込んだのは、社民党になってから初めてかもしれません。

 このことについては、(報道されているような)「路線転換」というよりは、自衛隊の現状認識について見直しを行なったというのが適切です。現に自衛隊が(戦争支援の目的で)海外に派遣されるという事態が生じていることに対し、自衛隊の状態が憲法の枠内ということはできないと考えております。また、少数与党して連立政権下でとった当時の村山首相の判断について、正しかったのか、間違っていたのかと問い直すものでもありません。

 社会民主党宣言を大会で採択しますが、これは社会民主主義(を掲げる社民党が目指す社会)について、力点を置いています。新自由主義・新保守主義、勝ち組政治、国会でも問題になっている格差拡大社会の動き、これらに対して普通の人が働き続け、生き続けられる社会、ともに支え合う社会、自由や公正・連帯が基調となった社会を、「もう1つの日本」として実現していきたいと考えています。国民の皆さんに、私たちはこういう社会をつくりたい、いまの弱肉強食・勝ち組政治ではなく、誰もが希望を持って生きられる社会をつくりたい、そういうことを前面に打ち出した宣言です。

 その意味で平和は重要な部分ではありますが、そのことだけがメイン・イシューとなるわけではありません。

 改めて申し上げますが、自衛隊がイラクにまで出向いて多国籍軍に参加し、自民党が新憲法草案を出すという事態にまで立ち至っています。社民党は、自衛隊が合憲か違憲か、日米安保条約が合憲か違憲か、このことが重要ではないとは申し上げません。しかし、違憲状態にある自衛隊を何とか変えたいと考えている人たち、在日米軍基地の強化やこれ以上の負担はゴメンだと考えている人たち、憲法9条を変えずに生かしていきたいと考えている人たち、日本を戦争する国にしたくないと考えているすべての人たちと手をつなげたいと考えています。

 ですから、社会民主党宣言は(運動の)幅を狭くするものでは毛頭なく、(自衛隊の)違憲状態を変えることに力を貸してほしい、そういう宣言になっています。


<質疑>

Q.社会民主党宣言の第1次草案、第2次案では「違憲状態にある自衛隊」という表現はなかったが

福島 イラクにまで派遣され、多国籍軍に参加している自衛隊の現状が憲法の枠内にあるとは言えません。それから、自民党から新憲法草案が出されたことを踏まえ、この現状を変えていこうという意味合いで(最終議案に)盛り込みました。自民党が災害救助などで努力し、貢献していることは事実です。だからこそ、(例えば災害救助は)自衛隊とは別の組織に改編し、評価されるべきだと思います。

Q.自衛隊を「違憲状態」と鮮明にしたことで支持者にどのような影響を与えると考えるか

福島 自衛隊がイラクにまで派遣されていることは問題ではないか、在日米軍が強化されるのはおかしいではないかと考えている人は多いと思います。憲法が危機的な状況な中、自衛隊の違憲状態を何とか変えていこうという社民党の意気込みを受け止めていただければと思います。平和を願うすべての方々の支持を得たいと考えています。支持を広げたいと思います。

Q.社会党時代の「自衛隊違憲」論に先祖がえりしたという指摘もあるが

福島 それは違うと思います。海上自衛隊がインド洋に派遣され、陸上自衛隊がイラクに派遣され、そして多額の費用を使って多国籍軍にも参加しています。憲法を食い破っていくという点では、この10年余りの間に事態が大きく変わってしまいました。ですから、先祖がえりするのではなく、いまの違憲状態を何とか変えていく、憲法9条を発信していく、軍縮の方向に向けて努力する、戦争とテロをなくすためにがんばるという決意を示したわけです。自衛隊が(武力行使を行なう米軍支援のために)海外に出かけていくようなことがなかったときの「違憲か、合憲か」という議論とは違います。

Q.日米安保条約の平和友好条約への転換も今回新たに打ち出したのか

福島 これは、土井前党首の時代の2001年に発表した「21世紀の平和構想」で示しています。

Q.宣言案を討論した時、意見は出なかったのか

福島 討論を受けた結果です。

Q.2大政党化を意識したものか

福島 小泉首相の政治の方向性ではダメだと社民党は指摘してきました。平和の問題でも、9条を変えさせないということを強く打ち出しています。

Q.党内的に理解は得られるか

福島 十分、得られると思います。日米新ガイドラインの締結、周辺事態法の成立、有事法制の整備、テロ特措法による海上自衛艦のインド洋への派遣、それからイラク特措法による自衛隊のイラク派遣と多国籍軍への参加、さらにミサイル防衛(MD)の開発・配備に伴う米国向け部品輸出の解禁など、明らかに現状の自衛隊の状況は違憲であるということに、党内で異論はないと思います。