わが国の農業・農村の再生にあたっては、農業基本法の反省に立ち、「食料・農業・農村基本法」の理念と政策を着実に実現します。とりわけ、わが党の主張によって修正された「国内農業生産の拡大」、「食料自給率の向上」、「基本計画などの国会への報告義務」と「国民の代表である国会が主導する農政」を明確にした国会決議に基づき、具体化を進めます。
(1) 21世紀は「人口爆発の世紀」「飢餓の世紀」といわれています。世界の食料事情が悪化する見通しの中で、わが国の食料自給率はわずか41%にすぎません。これは先進国中最低の水準であり、自給率の向上はいまや国民的課題です。国民の食料への不安を解消し、国民に食料を安定的に供給するために自給率の目標を当面50%とし、その実現を図ります。(2) 食料自給率の目標達成のため、500万ヘクタールの優良農地を確保します。とくに豊潤な水田と豊かな食文化を次の世代に残すため、田畑輪換が可能な農地、棚田の保全などによって水田機能を維持します。
(3) 自給率向上のため、国の責任おいて国内で生産する主要食料の量、品目別生産目標、生産に必要な農地面積を明確にした「生産計画目標」を明示し、コメだけではなく他の作物、とくに麦、大豆、飼料作物の生産を拡大します。このため適地適作による産地指定を行うとともに生産費を保障し、所得や経営の安定対策を充実します。
(4) コメの自給率は100%とします。需給動向を踏まえた生産調整の継続、とも補償、稲作経営安定対策の充実・強化とともに、価格低落時への対策確立と、農業共済制度と組み合わせた「収入保険制度」を導入します。
(5) 畜産・酪農については、国の責任で需給調整を行なうとともに、国産による供給を基本とします。エサ米の生産、自給飼料の生産拡大など計画的な飼料穀物の増産、草地造成を行います。
(6) 食料の安定供給のため、コメの備蓄は150万トンを基本に回転と棚上げ備蓄を併用します。棚上げ備蓄米、ミニマムアクセス米(最低限輸入量)は飼料用、加工用、海外援助用とします。
(7) 日本型食生活の重要性が再認識されています。食生活を改善するため、学校・社会教育活動を促進し、米飯による学校給食などの推進をはじめ日本型食生活の確立に努めます。
(1) 若者、高齢者、女性の知恵と活力をいかし、生産から生活までを総合的にとらえた自立する地域農業、多様な産業構造をもつ地域社会づくりを積極的に支援します。(2) 地域農業、農村を活性化するため、自治体、農業関係団体、消費者団体の代表、高齢者、女性、勤労者の代表の参加によって、創意工夫をこらした「地域農業・農村振興計画」を作成します。
(3) 地域自給向上のための地場生産・地場消費の推進、農産物の付加価値を高め所得確保につながる加工・産直事業、グリーンツーリズム(農村での滞在型保養)など都市と農村の交流事業を推進し、農村を活性化します。
また、地域の食料自給率を向上させる運動に取り組みます。
(4) 伝統文化の継承、農村の良さを活かした高齢者福祉事業の推進など、高齢化社会に見合ったいきいきと暮らせる農村社会をつくります。
また定年退職者やUターン者、「県外からの就農者」の就農支援を充実・強化するため、自治体に相談窓口設置します。(5) 農業や地域社会の活性化に果たす女性の役割を重視し、農産加工、産直、農家民宿、市民農園の経営などの女性の起業活動に対し、低利融資、労働力ヘルパー制度、経営技術指導など積極的支援を行います。
(6) 専業、兼業、農業後継者、新規就農者、Uターン就農者、定年退職就農者を問わず、地域の実情に合った家族農業、集落営農、農業生産法人など多様な地域農業の担い手を支援します。
(7) 多様な担い手対策として、就農に必要な経営・技術研修を行なうとともに、農地の取得・生活のための就農資金の助成、無利子資金の融資を行い、一定期間就農した場合は償還を免除します。
(8) 農地生産法人の要件整備、株式会社の農地取得は認めません
1) 農業生産法人は、あくまで地域の農業者を中心とした共同体として、周辺の家族農業との調和が必要です。その要件(事業・出資・役員)については、農地法の原則である「耕作者主義」を厳守し、株式会社の農地取得は認めません。2) 農業生産法人の事業要件は、付加価値の高い農畜産物の加工・流通、観光農園やグリーンツーリズム、土木業など現行の範囲を大幅に拡大します。
3) 出資要件は、農業関係以外の出資が40%を超えないよう制限します。
役員は、農業者が過半数を占め、農外企業などが農地の取得ができないよう法的規制を行います。(9) 直接支払い制度を拡充・強化します。
1) 「直接支払い制度」は、中山間地域における耕作放棄地に限定せず、平地を含めた集落機能の維持・定住化・環境にやさしい農業、国土・環境保全に役立つ生産活動を対象にし、地域農業の振興、農村の活性化を目的に充実・強化します2) 地域の実情に応じた「直接支払い」となるよう、各自治体の「農業・農村振興計画」に基づき、国・県の調整による一括交付金方式とします。なお財源は全額国庫負担とし、補助金のばらまきにならないよう、透明性を確保するための国・県・公的機関による検証システムを確立します。
(1) 国民が安心して食生活ができるよう、国・公的機関による国内農産物、輸入食品などすべての食品のダイオキシンや残留農薬などの安全検査を徹底します。また生物多様性にも重大な影響を及ぼすおそれのある遺伝子組み換え食品の表示、原産地の表示については、すべての食品を対象にします。(2) 縦割り行政の弊害を排除し、生産から消費までの責任をもつ農林水産省の検査・表示体制を整備します。また消費者の不安を解消するため、情報の開示を徹底するとともに、農産物の安全性について検査・窓口を設置し、消費者にわかりやすい表示を行います。
(3) 国内の遺伝子組み換え食品については、安全性が確認されるまで生産を禁止します。
(4) 有機食品、無農薬、減農薬農産物については、国際基準よりも厳しい国の基準を策定し、国・公的機関による認証・表示制度を確立するとともに、環境保全型農業を推進します。
(1) 地球規模による人口・食料・環境問題の解決のため、飢えに苦しむ途上国への食料援助、資金援助、農業技術援助を行います。(2) 世界の食料備蓄機構の創設、コメの長期貸借による「東アジア食料安全保障システム」を確立します。具体的に東アジア・ジャポニカ圏において政府間協定を結び、東アジアの食料安全確保、農業分野の貢献に役立てます。
(1) 2000年から始まるWTO農業交渉では、農業・農村のもつ多面的機能を重視し、自国の食料は自国で生産すること基本とした「新たな農産物貿易」ルールをつくります。(2) 日本農業の崩壊につながる農産物の自由化を許さない立場を堅持します。
1) 稲作農業の崩壊につながるコメの関税引き下げには応じない。2) ミニマムアクセス米は、その計算基礎を主要食料(米と麦の合計)で設定するよう要求する。
3) これ以上の林産物、水産物の関税引き下げ、自由化には応じない。
(3) 輸出禁止または制限を行う場合の輸出国の義務の明確化、「検疫・衛生」の国際基準に対して、各国が自主的に安全基準を定めることを求めます。
(1) 21世紀に向け新たな林政を確立します。1) 森林・林業・林産業と山村の衰退要因となっている構造問題を打開し、森林のもつ環境保全機能と森林資源の充実を図ることで、国民生活に寄与る林政を確立します。2) 国産材の需要拡大を含む木材自給率の目標設定など、総合的な森林整備と林業振興に向けた、森林・林業基本法(仮称)を制定し国の責任を明確にします。
(2) 流域管理システムの推進を図り、森林資源有効に活用します。
1) 森林を公共財(国民共有の財産)として位置づ」け、民有林と国有林、川上から川下を一体化した流域管理システムの一層の推進を図り、間伐などの森林整備計画の促進と雇用の創出、森林資源の積極的な有効活用策など、諸対策を取り入れます。2) 森林・林業の担い手である林業労働力を現在から将来にわたって安定的に確保するため、他産業並みの労働条件の改善、新規就労者の充実、山村の定住化策を一体的に進め、人材を育成し後継者を確保します。
3) 森林整備と合わせて、治山・治水事業を拡充・強化し、水資源の確保・国土保全等の森林の諸機能の充実を図ります。特に急を要するとくに山地災害の予防対策を充実させます。
4) 国有林野事業については、林野庁における一元的一体的管理を行い、改革を進めるにあたっては、新たな森林・林業基本法のもとで、関係団体、地域住民などの意見を踏まえ、真に国有林の役割が発揮できるようにします。
(1) 新海洋秩序における海域の合理的利用の観点から、操業区域、操業期間、漁法の見直し等漁業許可制度の見直しにより生産構造を再編するとともに、資源状況に即した適切な漁業調整を行うための新たな調整機構等調整機能を強化します。(2) 地域漁民により組織された漁協が主体となって、漁業権の持つ資源管理および環境保全等の機能の十分な発揮に向けて適切な管理を進めます。
(3) 漁業と遊漁の位置づけを明確にした上で、遊漁船業の許可性、プレジャーボートの登録制の導入を行い、行政が的確な調整を行うようにします。
(4) 経営形態に応じた望ましい経営構造への誘導を図りつつ、活力ある業業者層や経営体を積極的に育成します。
(5) 品質や安全性に対する関心の高まり、消費者のニーズの変化に対応するため、流通の合理化・効率化や産地機能の強化を図るとともに、産地市場統合をはじめとする産地側の販売・加工体制の強化、流通・物流の効率化、安全・衛生管理を推進します。またそのための支援策を講じます。