《環境》                   

1.拡大生産者責任を明確にした循環経済法を制定します−ごみや排気ガスのない、きれいで澄みきった街づくりを進めます。

 社民党は、深刻化する廃棄物問題に対処するため、拡大生産者責任(EPR=Extended Producer Responsibility)とリデュース(抑制、減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再利用)の優先順位を明確にした、市民参加を中心におく循環経済法を制定します。拡大生産者責任は、生産から廃棄に至るあらゆる過程で発生する環境への影響について、生産者がすべての責任を負うという考え方です。
 工業製品はすべて(業務用文書から自動車に至るまで)EPRの対象としますが、とりわけOA機器、自動車、コピー機、家電リサイクル4製品、包装容器は早急に対象とします。
 拡大生産者責任の原理を適用することによって生産者は、(1)製品や廃棄物を回収・リサイクル・処理する責任、(2)何度でも繰り返し使用でき、耐用年数が長く、使用後はリサイクルに適し、かつ環境を損なわずに処理が可能な製品を開発する責任、(3)再資源を優先的に使用する責任、(4)リサイクルや処理の過程で有害物質が発生するものを制限したり使用しない責任、(5)製品にどのような物質が含まれているか表示する責任、また製品に返却、再使用、リサイクルの可能性、義務などについて表示する責任が課せられます。
 つまりEPRを制度として確立すると、企業はこれまでの生産のあり方を根本的に変えざるをえなくなります。いわば企業に対して、「あらゆる過程で環境に負荷をかけない製品を生産させるインセティブ」となりうるものです。
 循環経済法制定と同時に、環境関連分野の新規産業創出へむけリサイクル業、廃棄物処理業、環境情報提供事業、再生可能エネルギーにかかわる支援を拡充します。そのためエコタウン事業(地方公共団体への助成制度)の推進と拡充もはかります。また環境にやさしい製品やリサイクル製品が積極的に利用されるよう、住民の参加と協力による製品開発、マーケットづくりを進めます。環境政策において、市民が積極的に役割を果たせるよう、NPOの健全な発展を支援し、NPOとのパートナーシップを確立します。

2.「環境税」を導入し地球温暖化防止対策など環境対策を進めます

(1) 1997年12月のCOP3京都会議で、わが国の目標として「温室効果ガスを2008年から2012年の間に、1990年比で6%削減する」ことが決まりました。しかし1997年度の二酸化炭素排出量は、前年度と比較し、約0.4%減少していますが、1990年度と比較すると約9.7増加しています。しかも、二酸化炭素のわが国における排出源は、1997年度で運輸部門が20.9%(排出量は90年度と比べ約21.3%増)、その中でも自動車からの排出量が大部分を占めています。地球温暖化対策に占める自動車対策は、大きなウエートを占めており、京都会議の目標を達成するためにはもちろんですが、さまざまな環境対策を推進していくためにも環境税の導入が必要です。

(2) 自動車関係諸税(自動車税、自動車取得税・自動車重量税)を見直します。方向としては、トラック、ディーゼル車など、環境への負荷の大きい自動車には税を重くします。

(3) 低公害車(電気自動車、天然ガス自動車、ハイブリッドカー、メタノール自動車)、低燃費車など環境負荷の小さい自動車の普及ための補助金や税制措置、購入助成を拡充します。また、各種技術開発を推進するための支援を行います。

(4) 環境ラベリング制度を導入し、エネルギー効率・性能を表示するラベルを自動車、家電製品などに貼付することを義務づけ、消費者が環境に配慮した製品を選択できるようにします。
 消費者への表示によって、企業が市場競争を通じて「環境に配慮した製品開発」を促進するよう誘導します。

(5) ネオンの規制、自動販売機の夜間使用停止ないしは撤去を検討します。


ダイオキシンを抑制!

−ごみの減量・リサイクルを促進し、ダイオキシンを抑制します。

「ダイオキシン類対策特別措置法」が全党の一致で成立しました。法律は、汚染地域の指定や改善命令、罰則が伴う排出規制、汚染除去対策が主な内容です。住民参加の道も開かれました。不安が高まっていたダイオキシン類への対策が、これで一歩前進しました。
 しかしこれで安心できるかというと、まだ不十分な点もたくさんあります。この法律は、濃度基準や排出基準を設け、ダイオキシンをいわば「出口」で規制する法律です。ダイオキシン発生の9割はごみの焼却に起因しており(発生抑制には高温焼却が有効だといわれていますが、それだけでは抑制はできません。集塵機入り口の温度を低く抑えるなどの燃焼管理、バグフィルターの設置等が必要です)、ダイオキシンを抑制するには、発生原因であるごみを減量していくこと、すなわち焼却する前の「入口」で規制することが必要です。物を大量生産し、大量消費し、大量廃棄するという構造がある中で、排出基準を厳格にするだけではダイオキシン類の根本的削減はできません。

◎社民党は、国の施策としてごみの減量とリサイクルを推進する法律をつくるとともに、発生原因となる化学物質の焼却規制、使用規制を視野にいれた法律をつくります。また焼却処分中心の廃棄物行政を見直し、基本的にごみを出さない生活習慣への転換を図ります。

 また今回の法律では、耐容一日摂取量が4ピコ以下とされましたが、ダイオキシンの毒性を考慮すれば、早い時期に1ピコ以下にすることが必要です。将来は、胎児や乳幼児の感受性も考慮した値にする必要があります。(アメリカの基準=環境保護庁0.01ピコグラム、食品医療局0.006ピコグラム)
 さらにTDIを基準にして、魚介類、乳製品、農作物など食品の基準を設定すること。ダイオキシン類の発生する業務の従事者、従事したことのある人々の健康被害の発生防止対策や健康管理を進めること。ダイオキシン類の排出が少ない炉への転換をはかること、すべての焼却炉に構造基準、排出基準を定めること。生産者等に対する実害や風評被害への国の補償制度を確立することが必要です。


環境ホルモン対策

−おもちゃ、食器、容器、哺乳瓶に環境ホルモンはいりません。食べ物にも安全基準をつくります。

 私たちの身の回りには、プラスチック製品、食器、哺乳瓶、洗剤、塗料、接着剤、ラップ、殺虫剤、合成繊維など、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)作用を引き起こす化学物質を使用した商品や製品であふれています。化学物質に対していたずらに不安を煽るようなことは戒めなければなりませんが、人の健康に影響があるもの、疑わしいものは、できるだけ早く私たちの日常の生活の中から取り除いていかなければなりません。こどものおもちゃ、学校給食の食器、哺乳瓶、ラップなどについては、環境ホルモンを使用した製品は直ちに規制が必要です。また食べ物にも安全基準が必要です。先の通常国会で化学物質の移動・排出を把握をする、政府提出のPRTR法が成立しました。残念ながらこの法律では、環境ホルモンに対して効果のある対策は期待できません。国民の不安を解消し、実効ある制度にするためには、次のような施策が必要です。
 第一に、有害性が判明していない環境ホルモンも対象とすることです。国民の不安は、今の時点で健康や生態系への影響が未解明であっても、将来にわたって安心できるのかという点にあります。何らかの異常が判明した時点で対処するというやり方では、被害の未然防止はできません。だからこそ危険性のある物質はもちろん有害性が判明していない化学物質についても、流れを常時把握しておくことが必要です。第二は、事業者の届出事項を排出量と移動量だけでなく、製造量、受入量、引渡量なども届け出事項に含めることです。化学物質の流れの把握は、正確の上にも正確を期すことが重要です。第三は、消費者への表示を事業者に義務づけることです。消費者が、日常的に使用する商品にどのような化学物質が含まれているかを知ることは、健康と安全を守る上でも大切なことです。第四は、届出された情報を、誰もがいつでも自由に利用できるようにすることです。請求や手数料をなくし即時開示とします。第五は、非点源(家庭等からの廃棄物、排気ガス)の排出量と移動量を推計することです。これによって、流れや状況がより正確に把握できます。
 なお、化学物質に対する間違った知識、流言や風評などから、国民がいたずらに不安感を抱かないようにするためにも、企業・行政・市民のリスク・コミュニケーションが必要です。このことを通して国民は化学物質に対する正確な知識を身につけることができますし、誤った知識も是正できます。企業への信頼も生まれるものと確信します。


野生生物保護法の制定

−こどもたちが、メダカや昆虫と活き活きと遊べる自然を取り戻します。

 開発による河川や森林の破壊、大気汚染、化学物質による汚染など、さまざまな要因によって、多くの稀少野生生物が絶滅の危機に瀕しています。それだけではありません。メダカのように、一昔前にはどんな小川でも目にすることのできた生き物さえ絶滅しようとしています。これは人間のあらゆる活動の結果だということを、私たちは謙虚にかつ厳粛に受けとめる必要があります。
 野生生物を絶滅の危機から救うためには、単に野生生物の捕獲や採取を禁止したり、保護するだけでは不可能であり、野生生物が永続的に再生産可能な環境が必要です。すなわち森林の保全・育成、湿地・干潟の保全などを通して、人間と野生生物が共生できる環境をつくりあげていかなくてはなりません。人間の活動が他の生物に一方的に負担を強いることのない環境を実現していくことは、野生生物だけではなく、私たち人類の未来をも保障するということです。
 社民党は、野生生物が生息できる環境をつくるために、また美しい自然を取り戻し、光輝く太陽の中で子どもたちがメダカを追いかける姿、昆虫と活き活きと遊んでいる姿が、どこの街でも普通にみられるような自然を取り戻すために、「野生生物保護法」(仮称)の制定を提唱します。