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2006年2月11日
第10回定期全国大会

幹事長報告(抜粋)

〈政務活動〉

 I 国会活動

 1〜5、(第159回通常国会後半〜第163回特別国会)〈略〉

 6、第164回通常国会(06年1月20日〜)
 (1)〜(2)〈略〉
 (3)今後、総額で3兆円以上に上る増税・家計負担増を柱とした06年度政府予算案、児童扶養手当や児童手当・義務教育費国庫負担の負担率引き下げを盛り込んだ「三位一体改革」関連法案、高齢者にさらなる負担増を強いる医療制度改革法案、「官から民へ」のスローガンだけで公共サービスの切り捨てに走る行政改革推進法案や市場化テスト法案など、国民生活に直結する悪法が目白押しである。党は、小泉構造改革が格差の拡大、生命や安全の軽視、企業モラルの著しい低下を生んでいる点を徹底的に問題視し、主張や対案を鮮明に示しながら論戦に臨んでいく。
 (4)また、平和と民主主義、人権にかかわる法案も多数準備されている。改憲手続きのための国民投票法案や「愛国心」を強要する教育基本法改正案には、国会上程を阻止することができるよう、広範な国民運動を構築していくことが求められている。また、陸上自衛隊の中央即応集団を新たに編成させるための防衛庁設置法改正案や防衛庁の「省格上げ」については、自衛隊の増強を許さないとの観点から反対していく。さらに犯罪の実行に着手しなくても処罰の対象となる共謀罪関連法案、公務員の政治的行為を包括的に禁止する動きについても注視し、人権、思想・表現の自由を擁護するとの観点から反対していくものとする。

 II 格差拡大に増税・負担増の拍車を掛けた小泉「構造改革」

 1、社会のあらゆる分野での格差拡大
 (1)社民党は、市場万能論に立ち、民営化・規制緩和を一方的に進める「聖域なき構造改革」が格差社会を生み、社会の2極分化をもたらすと当初から強い警鐘を鳴らしてきた。国税庁の「民間給与実態統計調査」速報値(05年9月)によれば、給与所得が300万円以下の層が00年から04年までの5年間で約160万人も増加し、事業規模による所得格差も拡大傾向にあることが顕著に示されている。また、「家計の金融資産に関する世論調査2005年版」(金融広報委員会)では、貯蓄なし世帯の割合が過去最高の22・8%に達し、もはや4世帯に1世帯近くが貯蓄ゼロとなっていることが明らかになった。
 (2)これらの背景には、全就業者の3人に1人を上回るに至ったパート・派遣などの非正規雇用の増大など雇用破壊の現状もある。小泉首相は、格差が広がって見えるのは「高齢世帯の増加」に起因するものであるとして「構造改革」と格差拡大は無関係のように装っている。しかし、75%が「経済格差は広がっている」(共同通信・06年1月27日)と答えた世論調査の結果からも明らかなように、所得・企業規模間・地域間の格差拡大は、国民の実感である。格差を是正し、不安を安心へと変えていく政治の転換が、今ほど求められている時はない。

 2、生命と安全の軽視、企業モラルの低下
 (1)民営化と規制緩和、企業利益と効率性を追い求める小泉「構造改革」は、生命と安全を脅かし、企業モラルの著しい低下を生んでいる。現在、国会でも大きな問題になっている「耐震設計偽装事件・米国産牛肉への危険部位混入・ライブドア事件」の3点セットは、国民の安心・安全よりも、規制緩和や市場の効率性、貿易関係などを重視してきたことに起因する。被害拡大が表面化するまで責任と対策を放棄してきたアスベスト問題やJR福知山線での脱線事故も同様の側面は否定できない。小泉内閣の責任は極めて重大である。
 (2)〈略〉

 3、格差拡大に増税・負担増の追い打ち
 (1)〈略〉
 (2)この先に待ち構えているものは、07年に予定される税制改革での消費税率アップを柱とした大増税である。政府・与党間では、消費税率アップに意見の違いがあるように報道されている。しかし、来年実施される統一自治体選挙、参議院議員選挙の争点から目をそらさせることを目的としたものに過ぎず、消費税率のアップは、もはや政府の既定路線と言わざるを得ない。「応能負担」を原則とした社会保障制度の再構築、所得再分配機能を発揮する税財政制度への転換に向け、党が具体的な改革案を打ち出し、国民に訴えていくことが問われている。

 III 憲法改悪と平和・民主主義の危機

 1、9条改悪を中心に急速に進む改憲の流れ
 (1)〜(2)〈略〉
 (3)政党レベルでは、自民党が結党50周年に先立つ05年10月28日に「新憲法草案」を取りまとめた。草案は、戦力の保有を禁じ、交戦権を否認した9条2項を全面的に削除し、「自衛軍の保持」を明文化したほか、「国際社会の平和と安全の確保」の名の下に、軍隊としての自衛隊が海外で武力行使できる方向に踏み込んだ。また、前文で戦争放棄の決意、平和的生存権の規定を削除し、代わりに「帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支える責務」などを盛り込んだ。草案は、憲法の国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という基本理念に真っ向から挑むものである。
 (4)さらに民主党も、05年10月31日に「憲法提言」を発表した。具体的な改憲案ではないものの、例えば9条に関連し、「制約された自衛権」の下で自衛隊が海外で武力行使することを容認する方向を打ち出した。集団的自衛権の行使を容認する最近の前原代表の発言と合わせると、民主党も9条改悪に大きく踏み出しそうな気配である。今後、国会での焦点は改憲手続きとしての国民投票法案に移るが、法案の上程を阻止するため、広範な運動を盛り上げていかなければならない。

 2、イラクへの自衛隊派遣〈略〉

 3、日米軍事一体化に進む米軍再編
 (1)〈略〉
 (2)米軍再編問題では、05年2月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、今後の日米防衛協力の指針となる「共通戦略目標」を策定し、「日米同盟の世界化」を打ち出した。また、同年10月に行なわれた2プラス2で、日米両国政府は在日米軍再編に関する「中間報告」を取りまとめた。しかし、焦点となってきた在日米軍の縮小・整理・撤去には遠くおよばないばかりか、米軍と自衛隊の融合に力点が置かれ、普天間飛行場の新たな移転先として辺野古崎沖を挙げたほか、関連自治体の頭越しに在日米軍の新たな移転先を合意した。
 (3)04年8月に発生した沖縄米軍ヘリの墜落事故をはじめ、昨年末から相次ぐ米兵を容疑者とした事件を見ただけでも米軍基地と周辺住民の生活が共存できないことは明らかである。しかし、政府の姿勢は基地周辺住民の「負担の軽減」ではなく、在日米軍の機能強化を進めるものである。今春の「最終合意」に向け、社民党は引き続き在日米軍基地の整理・縮小・撤去、日米地位協定の抜本改定実現に全力を尽くす。

 4、行き詰まる小泉外交〈略〉

〈党務活動〉

 I 選挙闘争

 1、第20回参議院議員選挙および第44回衆議院総選挙
 (1)04年7月11日投票で戦われた第20回参議院議員選挙は、直前の国会で強行された年金改悪や自衛隊の多国籍軍参加の是非などを焦点に党の総力を挙げて戦った。結果、比例区で2議席、後に新潟選挙区で当選した近藤正道議員を党に迎え、改選前から1議席増やし、ギリギリのところで党再建の足がかりを確保した。
 (2)郵政民営化関連法案の参議院否決を受け、05年9月11日投票で戦われた第44回衆議院総選挙では、格差拡大社会をもたらす小泉「構造改革」の方向が誤っていること、平和を踏みにじる小泉内閣の政治の行き着く先は憲法改悪にあることを正面から訴えた。自民党が大勝する選挙結果においても、社民党は比例区で前回総選挙から約70万票を上積みすることができた。今後、党に投票した370万の有権者の期待に応え、さらに支持の輪を拡大していくことが必要である。

 2、その他の選挙闘争〈略〉

 II 憲法改悪を許さない闘い

 (1)国会で衆参両院の憲法調査会が最終報告書の取りまとめにかかり、自民、民主、公明の各党も憲法改正案の集約に走る中、党は「憲法に違反した事実を積み重ね、改憲を主張するのは本末転倒」であるとし、改憲の流れにはくみせず、憲法を守り、社会・政治・暮らしに生かすことこそ問われているとした「憲法をめぐる議論についての論点整理」を05年3月10日の全国連合常任幹事会で了承した。「論点整理」に基づき、党の見解を広めるために作成したパンフレット「なぜ、いま憲法改悪」は約3万部を頒布することができた。
 (2)この間、全国連合に設置した憲法改悪阻止闘争本部では、[1]憲法「行脚の会」などと協力し、各地で講演会や学習会を組織する[2]憲法記念日などに新聞紙上で意見広告掲載に取り組む[3]各県・郡市単位で「平和憲法を広げる会」などの組織づくりを進める--などの方針を提起してきた。結果、04年の5月には約10県、05年5月には26府県が意見広告運動に取り組み、多数の賛同者を得ることができた。中央段階でも憲法「行脚の会」として約3500の団体・賛同人の協力を募り、05年6月15日に新聞2紙へ意見広告を掲載した。
 (3)自民党に民主党が追随する形で憲法改悪の流れが進む中、市民の危機感も強まりつつある。昨年11月にさいたま市を中心に開かれた第42回護憲大会で、予想を大幅に上回る参加者があったこと、あるいは首都圏で開催された憲法「行脚の会」の集会、各地での憲法学習会でも同様のことが起きている。改憲手続きとしての国民投票法案が焦点として浮上する中、全国1000ヵ所街頭宣伝行動など、憲法改悪阻止闘争本部の方針を具体化しつつ、平和フォーラムなどの民主団体、憲法「行脚の会」などの市民団体と広く連携し、国民的な改憲阻止のネットワークが構築できるよう努力していく。全国連合としても2月末から約半年間にわたって社会文化会館で開催する「憲法学校」の成功に向け、全力を挙げる。

 III 各種対策・調査活動〈略〉

 IV 社会民主党宣言(案)および党則改正(案)

 (1)第9回臨時大会で第1次草案を提案した社会民主主義宣言(当時)は、その後、党内11ブロックをはじめ、全国連合担当者が出席したものだけで全国40ヵ所以上で討論集会が組織された。文書で寄せられた意見、労組関係者や5人の有識者からのヒアリングでいただいた意見などを踏まえて第2次案の起草作業を進めた。昨年10月27日の第81回全国連合常任幹事会で了承を得て名称を社会民主党宣言に改めた上で再び党内論議に付した。全国7ブロックに分けての討論集会、文書で寄せられた多数の意見を勘案し、今大会に最終議案を提案した。
 (2)〈略〉

 V 党勢拡大・党改革の活動

 (1)社民党になってから初めて実施した03年の第1次党勢拡大運動の成果を踏まえ、04年に第2次拡大運動を提起したが、参議院議員選挙と重なったため、全国的な取り組みには至らなかった。そのことを踏まえ、昨年、党組織の強化を目的に第3次党勢拡大運動を提起した。結果、党員および『月刊・社会民主』の拡大目標を完全達成し、『社会新報』も目標の5割を達成するなど一定の成果を上げることができた。しかし、なお党員は減少傾向にあり、拡大運動も各県連合によって取り組みにアンバランスがあることから成果の上がっていない県連合を中心に対策を講じていく。
 (2)党財政および党運営の改革を促すため、第8回定期大会で設置した「党改革推進委員会」の活動を継続してきた。前回大会以降、[1]党経営の観点に立った全国連合の財政見直し[2]各都道府県連合への交付金基準の見直し[3]社会文化会館の改革[4]収入増・党強化に向けた党勢拡大の在り方--などを4回にわたって協議した。健全財政に向けた努力などの成果を引き継ぎ、党の組織や活動の改革に引き続き取り組んでいく。

 VI 国際活動

 (1)04年5月23〜26日に又市幹事長を団長として、さらに東門国際委員長、山本女性・青年・市民委員長、田英夫参院議員が加わった訪中団が、中国共産党幹部らと2党間の関係の在り方、6ヵ国協議の動向などについて意見交換を行なった。同年9月2〜6日には、アジアから80を超える政党が参加し、北京で開かれた「第3回アジア政党国際会議」に福島党首、山本女性・青年・市民委員長が参加し、日本の政治状況やイラク問題、アジアの安全保障の在り方について党首が発言を行なった。
 (2)05年12月7〜9日には、福島党首を団長に照屋副党首、村山元首相で訪中し、小泉首相の靖国神社参拝によって冷え切った日中関係などについて意見交換を行なうと同時に、北東アジア地域の非核地帯化・安全保障機構の創設で両党間の関係強化を確認した。
 (3)社会主義インター〈略〉

 VII 労働・自治体議員団の活動、女性・青年活動など

 (1)非正社員が全就業者の3人に1人以上を占めるに至った現状は、同一価値労働・同一賃金の原則に立った均等待遇の実現を待ったなしで求めている。04年12月に労働組合関係者、弁護士、市民らで立ち上げた「非正規雇用フォーラム」には、福島党首も共同代表に加わり、活発な活動を展開してきた。05年4月には都内でシンポジウム「希望格差社会をめぐって」を開催、同9月22〜25日には同フォーラムとして韓国を訪問し、党から福島党首、渕上副党首も参加して韓国の関係労組などと交流を深めた。また、05年12月には都内で同フォーラムの活動開始1周年に当たり、記念シンポジウム「格差是正への挑戦」を開催した。今後、同フォーラムの地域での組織化も含め、党として積極的に協力していく。
 (2)〈略〉
 (3)党自治体議員団全国会議〈略〉
 (4)〜(5)〈略〉


社会新報2006年2月22日号より