憲法を活かす

社民党 Official Web Site

声明・談話一覧はこちら

anchor

News 一覧はこちら

カジノ廃止法案の可決を

「秋元司」IR汚職事件は氷山の一角

カジノ廃止法案の可決を

(写真)IRの誘致に反対する集会「横浜にカジノはいらない女性たちよ手をつなごう」で司会を務めた福島副党首(左)=2019年9月14日、横浜市内。

2月3日、東京地検特捜部は、収賄容疑ですでに逮捕・起訴されている秋元司衆院議員(自民党離党)を追起訴した。安倍晋三政権が「成長戦略の柱」と位置付けるカジノを含む統合型リゾート(IR。メモ参照)の事業をめぐり、中国企業「500ドットコム」側から総額約760万円の賄賂を受け取った容疑。秋元氏は逮捕前、支援者らに「一切不正には関与しておりません」と記した手紙(写真)を送るなど、一貫して容疑事実を否認している。

だが12日、秋元被告は保釈された。

岩屋毅前防衛相ら4人の自民党衆院議員と日本維新の会(除名)の下地幹郎衆院議員も金銭を受け取ったものと見られたが、立件されなかった。

秋元議員は、「IR実施法」が成立した2018年7月の1年近く前から、IR担当の内閣府副大臣だった。政府・与党は、社民・立憲・共産など野党の反対を押し切り、同法案を強行採決した。

米国に屈する日本?

だがそれ以前から、米トランプ大統領が安倍首相に対し、「カジノ解禁」に向けて圧力をかけていた、との疑惑報道もある。

米調査報道サイト「プロパブリカ」は18年10月、次のような報道をした。

17年2月10日の夜、訪米中の安倍首相に対し、トランプ大統領はカジノ大手「ラスベガス・サンズ」の日本参入を強く働きかけた。同社会長のアデルソン氏は、トランプ氏への大口献金者だ。この日の朝食会で、安倍首相はアデルソン氏などカジノ事業者らと同席。同氏はこの前日、トランプ大統領らと夕食を共にしていた││。

社民党副党首の福島みずほ参院議員は、「プロパブリカ」の報道より前の18年7月、この問題に関して国会で安倍首相を追及している。今通常国会の参院予算委員会(1月29日)でも、福島議員は安倍首相に対し、この問題をさらに追及。だが、安倍首相は内実ある回答を避け続けている。

この「トランプ・安倍カジノ疑惑」からも分かるように、「500ドットコム」が関わるIR汚職疑惑は「氷山の一角」であり、さらに大きな政治がらみの不正や「不都合な真実」もあり得る。「トランプ大統領の圧力に屈する安倍首相」「その道具としてのカジノIR――こうした疑惑に対する説明責任が、安倍首相にはあるはずだ。

“改善策”というザル

安倍内閣は「500ドットコム」がらみの一連の汚職疑惑を受け、IR事業者と政府関係者の面会記録の作成・保存を義務づけるルールを作る方針を示した。

だが、安倍内閣はこれまで、森友・加計問題や自衛隊日報問題だけでなく、「桜を見る会」問題でも、民主主義の根幹をなす公文書を「隠す・捨てる・消す」など、国民の信頼を裏切り続けてきた。そうした内閣を「信じてくれ」と言われても、「面会ルール」等が守られているか否か、どのように検証するのか。

自治体と事業者の間でも、大きな問題がある。両者がIRの計画段階から協同する仕組みも影響し、汚職の可能性だけでなく、事業者側の「バラ色構想」流布の可能性も大きい。

後者の問題は、昨年8月に横浜市が発表した「IR誘致構想」に接すれば、一目瞭然だ。市と事業者にとって都合のいいデータばかりを選び、好きなように脚色する。「規制のない広告」と同類ではないか。

カネは投資家の懐へ

静岡大学の鳥畑与一教授(国際金融論)は、「世界的にカジノの利益率は低下している」として、「8~9割は日本人の懐(ふところ)狙いになる」と指摘する。市民から吸い上げられたカネは海外投資家の懐に入り、地域は衰退するという。

また、横浜市中区寿町で精神科の診療を続ける越智祥太医師は、ギャンブル依存症の人の割合が世界一高い日本でカジノ施設を新設することに対し、強い危機感を表わす。「依存症対策も同時に行なう」と政府や自治体側は言うが、越智医師は「まさにマッチポンプではないか」と批判する(両氏コメントは、本紙1月15日号の記事参照)。

世論の大勢はカジノに反対だ。朝日新聞社が1月25~26日に実施した全国電話世論調査によると、IRカジノを国内に造ることに、賛成が27%、反対が63%。

1月20日、社民・立憲・共産・国民民主など野党は、「カジノ廃止法案」を合同で衆議院に提出した。政府は、国民世論の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。

  【カジノを含む統合型リゾート(IR)】
ギャンブル施設のカジノをはじめ、国際会議場やホテル、その他の商業施設が一体となった複合施設。
日本では、2016年12月にIR推進法(通称「カジノ解禁法」)が公布・施行され、18年7月にはIR実施法が公布された。当面、国内に最大3ヵ所設置される予定。
横浜・大阪・東京・長崎・和歌山などの自治体が、誘致に向けて活動を繰り広げている。

(社会新報2020年2月19日号より)

2020年春闘 働く者の立場と主張を明確にしてたたかおう

2020年春闘を迎えた。春闘をめぐっては、米中関係や日韓関係に見られる通商・貿易問題、新型コロナウイルスの影響など、景況感の悪化が指摘され厳しさが強調されている。連合は各構成組織に対し2月末までの要求提出を呼びかけており、各労組は「ヤマ場」といわれる3月11日にむけ交渉等を配置し、取り組みを本格化させている。

経団連は景気の見通しを一変させ、厳しい姿勢で臨んでいる。しかし働く者にとっては、低賃金と消費税率引き上げによるダブルパンチの中での春闘である。雇用者報酬と利益剰余金の推移を見ると、雇用者報酬は2000年以降横ばいであるにもかかわらず、利益剰余金は2倍以上に膨れ上がっている。各種統計は景気が良好であった時もさまざまな理由で労働者の賃金が抑えられてきたことを示しており、働く者の立場と主張を明確にしてたたかうことが必要だ。

連合は今春闘で「分配構造の転換につながり得る賃上げに取り組む」として、4つの課題を指摘している。それは、伸びない家計消費、膨らむ企業利益剰余金、負担が増える社会保険料、是正されない企業間規模間・雇用形態間格差の問題である。その背景には、日本型雇用システムを破壊し続けた、この20年間にもわたる格差拡大による社会全体の貧困化がある。

こうした立場で、月例賃金の引き上げを軸にベアを2%程度、定昇を含めて4%程度の賃上げを求めている。また雇用形態での格差をなくすため企業内最低賃金(時給1100円以上)の締結を要求している。「新卒一括採用」の見直しなど雇用慣行の転換をうち出す経営側に対しては、経営サイドのみを優先する立場だと厳しく批判している。

この4月から「働き方改革関連法」が本格的な施行を迎える。時間外労働時間の上限規制の中小企業への適用、パートや派遣など同一労働同一賃金の適用(一部は2021年4月から)などである。課題は多いが「働き方」のシステムが「底上げ」されることになる。さらに働く者の立場からの「働き方改革」の前進が求められる。

労働現場には長時間労働の常態化による労働者の健康被害や過労死、不合理な労働条件や賃金格差など課題が残されている。春闘は働く人たち一人ひとりが自らの生活や職場を点検する機会でもある。私たちも現場で働く多くの仲間と連帯して今春闘をたたかおう。

(社会新報2020年2月19日号・主張より)

【佐高信の“眼”】渥美清と寅さん

寅さんこと渥美清は1928年生まれだった。土井たか子と同い年である。ちなみに、この年の生まれには池田大作、チェ・ゲバラ、手塚治虫、田辺聖子、そして土井ファンだった浜田幸一がいる。

『男はつらいよ』のフーテンの寅シリーズで、私が一番好きなのはキャバレーまわりの歌手として浅丘ルリ子扮(ふん)するリリーが登場する『寅次郎相合い傘』。突然蒸発したサラリーマンが北海道で寅やリリーと一緒に旅をすることになる。心配していた留守宅に連絡があって、その夫人が寅の叔父さんがやっている柴又のだんご屋に訪ねて来た。お礼にメロンを持ってである。

ところが寅はテキヤだから、居場所がわからない。焦れた夫人が、まったく頭になくて、

「まさか、道端で物を売ってるわけじゃないんでしょう」

と尋ねるが、まさにその「まさか」なのだった。

この前段があってメロン事件が起こる。寅が出かけた時に、リリーを含めてメロンを食べようという話になり、そこにいる人数で分けたのだが、寅のことを忘れてしまった。そこへ、寅が帰って来て、一騒動である。

しつこくからむ寅に叔父さんが怒り、おカネをたたきつけて、一個丸かじりせいと言う。

忘れられない場面なのだが、渥美清がどこかで語っているのを読んで、私はちょっとうなってしまった。

渥美は観客の反応を見るため、わからないようにして幾つかの映画館をまわるらしい。『寅次郎相合い傘』の時もそうだった。それでメロン事件について、銀座と浅草の観客では反応が違うことに気がついた。

銀座の客は、寅の子どもっぽさ、みみっちさに大笑いする。

ところが、浅草の客は笑わないのである。寅を勘定に入れないのはケシカランということなのだろう。

『朝日新聞』記者だった早野透と私は『寅さんの世間学入門』(ベストブック)を出したが、渥美が最期まで演(や)りたかったのが、落魄(らくはく)の俳人、尾崎放哉の役だった。早坂暁が脚本を完成させたのに、寸前になって渥美が降りた。寅のイメージが強すぎて笑われてしまうのではないかと思ってだという。

1885年、鳥取に生まれ、旧制一高から東京帝国大学法科を出て東洋生命に入社しながら、酒乱ゆえにサラリーマン生活を棒に振り、最後は小豆島の小さな庵の堂守となって42年の生涯を閉じた尾崎秀雄こと尾崎放哉には

咳(せき)をしても一人
死にもしないで風邪ひいてゐる
何がたのしみで生きてゐるのかと問はれて居る
といった壮絶な句がある。
渥美自身も、風天という俳号で句をつくったが、
ゆうべの台風どこにいたちょうちょ
貸しぶとん運ぶ踊り子悲しい
などの句には、やはり、放哉の影がさしている。

渥美は1996年に亡くなった。私との共著の「はじめに」で早野は『男はつらいよ』に「疲れた心を癒してもらった」と書き、「寅さんといっしょに、マドンナに次々と恋をした。佐高は浅丘ルリ子が好きみたい。早野は吉永小百合びいき」と続けている。

(社会新報2020年2月19日号より)

日本語教師の待遇改善を

労基署が運営会社に勧告
日本語教師ユニオンら記者会見

日本語教師の待遇改善を

新宿労働基準監督署が1月17日、日本語学校の大手である千駄ヶ谷日本語教育研究所付属日本語学校を運営する株式会社ベスト・コミュニケーションズ(社長・吉岡正毅)に対し是正勧告を行なったのを受けて、同27日、日本語教師ユニオン代表の塚越智世江さん(同校非常勤教員)らが厚労省内で記者会見を開いた。

会見では初めに、同ユニオンの上部団体である大学等教職員組合の衣川清子委員長が、会社に対して労基署から、①就業規則作成の手続き違反②労働条件通知書の記載事項に関する違反③労働時間の管理に対する違反  について是正勧告があったことを指摘。さらに、①遠足引率時(拘束時間7時間半)に本給なしで3000円の手当しか払っていないこと②出勤から退勤までの間の授業以外の業務内容の実態把握  について指導が行なわれたことを説明した。

会見によれば、同校の給与は教員によって異なるが、勤続4年目の塚越さんで1コマ(45分)2010円。これには授業準備や採点などの付帯業務も含まれるとされているため、残業代は支払われていない。このような「コマ給」制度のため、ほぼフルタイムで働いている非常勤講師でも、年収は164万円ほどだという。しかも社会保険はない。生活がかかっている人はダブルワークが多く、コンビニやスーパーで働かざるを得ない人もいるという。

塚越さんは「政府は外国人の人材受け入れにかじを切り、また日本語教師の国家資格化が議論されている中で、私たち日本語教師の待遇の悪さが置き去りにされている」と訴えた。

副代表の池口純恵さんは「今の日本語学校は労働条件が悪く、若い人たちが教師になってもダブルワークをしないと生活できない。よりよい職場を求めて渡り鳥のように転職を繰り返す。若い人が将来に希望が持てるような良い学校にしていきたい」と話した。

大学等教職員組合役員の佐々木信吾さんも、「サービス残業は多くの日本語学校で共通している。業界全体の悪弊を改善する契機にしたい」と強調した。

(社会新報2020年2月19日号より)

自衛隊の中東派遣は憲法違反

自衛隊の中東派遣は憲法違反

護衛艦「たかなみ」出航で市民ら抗議

【神奈川】昨年12月27日、安倍政権は、国会承認不要な防衛省設置法の「調査・研究」に基づき、中東海域における日本関係船舶の安全確保に向け、自衛隊を中東海域に派遣する方針を閣議決定した。今年1月11日には、海上自衛隊のP3C哨戒機を沖縄県の那覇基地から中東に派遣した。

2月2日には、海上自衛隊横須賀基地(横須賀市)から護衛艦「たかなみ」を強行出航させた。派遣人員は護衛艦とP3Cを合わせ約260人。同基地ではこの日、午前中に出国行事が行なわれ、安倍首相も参加した。安倍首相は乗組員を前に「わが国で消費する原油の9割が通過する命綱といえる海域。諸官の任務は国民生活に直結する大きな意義がある」と訓示した。海自艦艇の長期派遣は初めてで政府は派遣費用を約52億円と見込んでいる。

米国とイランの対立など、中東情勢は緊張が続いており、自衛隊が不測の事態に巻き込まれることへの懸念が非常に強い。自衛隊の海外派遣という憲法違反につながる重要な課題が、国会の審議もないまま安易に閣議決定で行なわれるのは、国会軽視にほかならない。

自衛隊員の命を守れ

神奈川平和運動センター(福田護代表)と三浦半島地区労センター(佐藤治議長)はこの日の早朝、中東への派遣は武力行使の一体化につながり憲法違反だとして、横須賀市内のヴェルニー公園で緊急の抗議行動を展開した。

行動には社民党をはじめ労組、市民団体など230人が参加し、横須賀港を出航する「たかなみ」に向かってシュプレヒコールを上げた。

社民党の福島みずほ副党首は連帯のあいさつで、「緊張が高まる中東への派遣には明確な必要性も緊急性もない。法的根拠もあいまいにして武力行使の範囲を広げることは明らかに違法だ」と政府の対応を批判した。

市民団体「ヨコスカ平和船団」と三浦半島地区労センターは船2隻を出して海上で抗議。「たかなみ」の近くで「中東へ行かないで!」と書いた横断幕を広げ、「自衛隊員のいのちを守れ」と訴えるなど、海上デモを展開した。

イラン核合意への復帰を

その前日にも、同じヴェルニー公園で平和フォーラムと平和センター関東ブロックが共同で抗議集会を開催し、市民や労組員ら370人が参加した。同センターの福田代表は、あいさつで、「中東派遣はなし崩しによる憲法違反だ。トランプ政権による対イラン有志連合への事実上の参加であり、直接参加できないからこのような形をとるのは姑息(こそく)だ」と厳しく批判し、「しっかりと派遣反対の声を上げよう」と参加者に訴えた。

行動に参加した組合員からは「安倍政権は、自衛隊の中東派遣でなくイラン核合意への復帰を米国に求めるよう外交努力すべきだ」「自衛隊員の安全が守れるのか」と政府の外交姿勢を厳しく批判する声が上がった。

参加者は、「中東派兵反対」「憲法違反」と書かれたプラカードを手に「中東派遣中止を」「閣議決定を撤回せよ」などとシュプレヒコールを繰り返した。

(社会新報2020年2月19日号より)